第6章 流されて異界
第148話 召喚の理由
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性があるのなら、彼女の周囲に最初の時間跳躍能力者。三娘と聖水将が過去の世界へと送り出した少女がいない、と考える方が難しいだろう」
古い、古い記憶。季節感皆無の仙界だが、あの日は確か蟠桃会の日なので、おそらく三月三日の事だったと思う。その日に俺と彼女が拾った少女が、後の時代を大きく変える事となった最初の時間跳躍能力者……だったのだが。
残念ながら、その時の細かな記憶が定かではなく、その時に拾った少女と朝比奈みくるとが、完全にイコールで繋ぐ事が出来るかどうかは定かではない。
……と言うか、そもそもこの世界と、俺が暮らしていた仙界とは時間の軸が違う以上、既に両者の間に関連はない、と考える方が妥当だと思うのだが。
「確かに、時間跳躍能力者の少女たちには似たような兆しが顕われると言うが……」
時間跳躍能力と言う能力はかなり特殊な異能で、修行やその他の方法で身に付けられるような能力ではない。この能力に関して言うのなら、それは天賦の才がすべて。そして、その才能が顕われた例は、今のトコロ、女性に限られているのも事実。
もっとも、未確認の情報から言うのなら、サン・ジェルマン伯爵や浦島太郎の伝説。妖精郷や仙界に迷い込み、其処から出て来た時には時代が変わっていた、などと言う類の伝説は世界各地に存在しているので、その内の幾つかの事例では実際の時間跳躍能力者が関わっている可能性も否定は出来ないのだが……。
「それに時間跳躍能力者の兆しが朝比奈さんに顕われたとして、それがそれほど重要な事とも思えないが」
それ以外にも、有希がわざわざこんなトコロにまでやって来た理由があるのだろう?
朝比奈さんの件は水晶宮的には重要な内容だとは思う。但し、それは今の俺に取って大して関係のある問題ではない。
時間跳躍能力者の重要な役割は……大雑把に言えば歴史の修復。そのまま捨て置けば、異世界からの侵略により世界の崩壊に直結し兼ねない事件の修正作業。科学的な手法で行われる時間犯罪者なら、それに対応するタイムパトロールのような組織があると思われるので、そう言う連中が対処する……と思う。時間跳躍能力者が対処するのは霊的な事件。
例えば、這い寄る混沌などの邪神が歴史の改竄……自分たちに都合の良い歴史の流れに変えようとするのを未然に防ぐ、などを主な仕事とする能力者。
世界の防衛機構。集合的無意識と言う奴が絡んで来る以上、事件の始まりは巻き込まれ型。偶然、何らかの原因で次元の狭間に落ち込み、気が付くと時間移動を行って居た。そう言う事が多いらしい。
一言、言葉を発する度に落ち着きを取り戻す俺。角度の関係からか、鏡に映る彼女の姿がバストショット。少し余分に見えたとしてもミディアムショットまでは行かない部分
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