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蒼き夢の果てに
第6章 流されて異界
第148話 召喚の理由
[後書き]
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 何かよく分からない理屈。時間とは一枚一枚描かれた静止画に過ぎない……とか言う理屈と共に登場する未来人、朝比奈みくるちゃんなのですが……。
 ウチの二次ではこう言う扱いです。個人が時間跳躍能力を持つ術者だった……と言う事。
 そもそも、その静止画に過ぎない、と言う言葉を使う場合は、それを理由に。……因って、未来から過去への時間移動など出来ない、と言う証明に使う以外はかなり難しいと思うのですがねぇ。既に描き上げられた一枚の絵に新たな登場人物を描き足すと、それは既に別の画に成って終うから、的な論法で。
 それって、本来はその時代に存在しないはずの未来人がコマの中に入った段階で、既に歴史に介入しているじゃん、などと考えるのがSF小説読みの基本だと思うのですが。

 ……事実、陰謀では朝比奈みくる(大)が、本来、起きるはずのなかった出来事を起こして歴史に介入。結果、出会うはずのなかった二人を出逢わせたり、その後に登場した未来人に、どうせ未来は統合される、などと言い出したり……。
 オイオイ、最初に語ったパラパラ漫画の件はすべて欺瞞だったの、と問いたくなるような事態に。
 尚、この辺りを根拠に、この世界の朝比奈みくるはタイムパトロールではなく、時間犯罪者扱いと成って居る事はご理解下さい。

 そもそも、歴史を改竄した段階で、その改竄した結果出来上がる未来から見ると彼女がタイムパトロール(自分たちの歴史を守る為)だったとしても、改竄された側からみると、それは時間犯罪者以外の何者でもない、と言う事なのですが。
 本来、辿り着くはずのなかった未来を未来人が意図的に作り出した段階で。自らが改竄しなければ彼女が産まれる時代が訪れないので、この辺りは鶏が先か、卵が先か、と言うややこしい問題なのですが。
 ……と言うか、実はタイムパトロールなどではなく、この世界の彼女は時間監視員(タイムウォッチャー)なんですけどね。現地採用(第二次大戦時の沿岸監視員のような物)の。そうしなければ、彼女に罪無しとは出来なかった上に、オイラの世界の絶対条件、ひとつの世界に同じ魂を持つ存在が同時に存在する事は出来ない、に致命的な矛盾が発生するから。
 邪神クラスなら分霊と言う方法も可能なのですが、人間でそれを為すのは流石に……。

 この辺りに詳しいSF小説でぱっと浮かぶのは、豊田有恒の「退魔戦記」と「モンゴルの残光」ですか。二作とも読めばよく分かると思いますよ。
 かなり古いSFですけどね。……多分、退魔戦記は、退魔と言う言葉を最初に使用した小説じゃなかったかな。菊池秀行が最初じゃないと思うよ。
 但し、退魔戦……。つまり、タイムマシーンと言う言葉に対して、鎌倉時代の武士が無理矢理に当て字をした物なのですが。まぁ、未来人自体が天狗扱いだったような記憶もあるから……。

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