機動戦艦ナデシコ
1419話
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部隊でもある優人部隊に所属している身だ。
どうしたって、木連の未来について思うところはあるだろう。
「うん? 高杉さんは?」
「高杉は……うん、ちょっと止めておいた方がいいかもしれないな」
「高杉さん、ね。あの人何だか妙な人よね」
「……そうか?」
「うん。女慣れしてないってのは分かるけど、それでもちょっと酷過ぎない?」
「……そうか?」
再度同じ言葉を呟く。
実際、高杉が挙動不審になるのは、あくまでも神楽坂と話している時だけだ。
エリナ、近衛、桜咲といった連中と話をする時には、木連の人間らしく多少ぎこちないが、それでもまだ普通に話すことが出来ていた。
神楽坂だけが例外な理由は傍から見ていれば分かりやすいのだが、本人の場合は自覚しにくいんだろう。
俺も以前その辺をベッドの中でシェリルに責められた事があったし。
「とにかく、俺達がこうして木連にいるのは白鳥や秋山の動きに協力する為だしな。もう暫く我慢してくれ」
白鳥も秋山も、まだこっちに明確な返事はしていないものの、それでも革命に向かって動きを見せている。
俺達に報告するのは、きちんと自分達で準備を整えてから。……そういうつもりなんだろう。
安易にシャドウミラーの力に頼るんじゃなく、まずは自分達で動いてみせる。その辺には好意を持たざるを得ない。
もしここで、革命に対する準備に最初から最後まで俺達に頼るような真似をしていれば、その時は恐らく幻滅していただろう。
自分達でどうにか出来るだけの力があるにも関わらず……と。
勿論本当に時間がない状況であれば話は別だが、今はまだ時間はある。
十分にって程じゃないが、切羽詰まっているという訳でもない。
「なるほど、ね。けど……それだと私が暇なのは変わらないじゃない!」
納得しつつ、それでも納得したくないといった様子で叫ぶ神楽坂。
身体を動かすのが好きな神楽坂だけに、こうしてコンテナの中にずっといるのは苦痛でしかないんだろう。
このコンテナの中もかなり広いが……それだって普通に過ごす分にはって感じであって、この中で走り回ったり出来るような広さがあるわけじゃない。
それに現在コンテナの中ではエリナが木連の情報を入手し、ヤマダはゲキガンガーを見ている。……あ、今は暇潰しなのか近衛と桜咲も一緒に見てるな。
それなら外に出ればいいんじゃないかと言いたいところだが、それもまた不可能だ。
神楽坂の外見は間違いなく美人なだけに、そんな人物が突然姿を現せば、どうしても目立つ。
特に木連には女が少ない以上、神楽坂程の美人が目立たないという事は有り得なかった。
その為に外に出る事も出来ず、こうして愚痴を溢している訳だ。
「……そうだな、なら今日は俺と一緒に行動するか?
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