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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#6
SILVER CHARIOT 〜Crescent Knight〜
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験で培われた戦闘の勘から、
辛うじて鋼鉄の義手で貫通されながらも相手の攻撃を致命点から反らしたジョセフ。
 貫かれた左手の前で飛散する機械部品と電子機器の火花を瞳に映しながら、
ジョセフは己の目の前で硬質な音を軋らせる細剣(サーベル)に息を呑む。
「ス、スタンドだ!! 間違いない!! 気をつけろ!! みんな!!
この男!! DIOの送り込んできた新たな刺客だ!!」
 突然の襲撃だったが、ジョセフはパニック状態に陥るコトなく
冷静な思考で周囲に警告する。
「!!」
 その、次の刹那。
 反射的に椅子から飛び降り攻撃体勢を執っていた少女の瞳に、映ったモノ。
 貫かれた、ジョセフの左掌。
 ソレが、ほんの数時間前に在った、 “アノ場面” を再び胸中に想起させる。
「このぉッッ!!」
 激高と共に怒髪天を突いた少女の髪と瞳が、
即座にフレイムヘイズで在る証、 “炎髪灼眼” へと変貌し、
舞い散る紅蓮の火の粉を靡かせながら身を覆った黒衣の隙間から、
可憐な指先を揃える手が抜きいで眼前の存在へと照準を合わせる。
「燃えろォォォッッ!!」
 灼熱の叫びと共に少女の右掌中から一斉に射出される、無数の炎弾
 ソレは空間に紅い軌跡を描き、唸りと共に白銀の腕へと目掛けて飛んでいく。
 しかし。
「フッ……」
 スタンドは微塵の動揺も示さない声で静かに呟き、
己に目掛けて飛んでくる炎弾の嵐を空間に円を描くように、
白銀の光跡を曳いて取り捲く。
 やがてソレらはスベテ螺旋状の渦をとなって細く細く引き延ばされ、
サーベルの刀身全体に取り込まれる。
「!!」
 驚愕にその真紅の双眸を見開く少女。
 躱したり防いだりするならまだしも、
今嘗てこのような魔術師じみた遣り方で自分の焔儀を制した者はいない。
 やがて。
 その少女の眼前に、空間を歪めるような異質な音を伴って屹立するスタンド。
 鋼鉄の踏み滲む音。
 ソレは、一人の荘重なる騎士の姿。
 その全身を凛烈なる白銀の燐光で包まれた甲冑で覆い、
頭部に装着された鉄仮面の隙間から、
極限まで研ぎ澄まされた精神の光を宿した、
生命の幻 像(ヴィジョン)
「むう……何という、剣捌きだ」
 自分の上で絶句する少女に代わり、胸元のアラストールがそう声を漏らす。
「“紅 の 魔 術 師(マジシャンズ・レッド)” 空条 シャナ!!
始末して欲しいのはまず君からのようだな? ならばッ!」
 そのスタンド「本体」で在るフランス人の男性が鮮鋭な声でそう叫び、
自分の脇で倒れた円卓に一切視線を送らず、しかし目にも留まらぬ速度で
紅蓮渦巻くスタンドの剣針を撃ち込む。
「……ッ!」
「……ッ!?」
 ソノ後に出来上がったモノは、灼熱の紅炎を揺らめかす “火時計”
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