第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#6
SILVER CHARIOT 〜Crescent Knight〜
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脇に設置されたスイッチを押す。
その少女に釘を差すように、
「オレの注文に託 けて、甘ぇモンばっか頼むなよ。
ンなモンで酒飲んでも美味くもなんともねーからな」
横から青年の声が追いかけてくる。
「だ、大丈夫よ。するわけないでしょ、そんなコト」
曲線になった瞳に何故か冷や汗を滲ませながら、少女は青年に告げる。
やがてやってきたチャイナドレス姿の若い女性に、
少女は流暢な広東語で料理を注文する。
彼女の発する言葉は完璧らしく、店員の女性も笑顔で応じている。
「……」
いつも違う言語を話している少女の姿は、
まるでシャナではないようなカンジを承太郎に覚えさせた。
「……おまえ、コレ」
横から、再び少女の声。
話し合いも終わり料理も注文し終えやや弛緩した空気の中、
少女の声は何故か自分を責めるような棘が在った。
(……)
少女が見ているのは、テーブルの上に置かれた自分の左手。
今はその指先以外全面を白い包帯で巻かれた裂傷の痕。
「大したコトねーって言っただろ」
承太郎はぶっきらぼうにそう言い、左手をズボンのポケットに突っ込む。
スタンド本体が消滅したコトに拠り、そのダメージは完治とまではいかないが、
幾分かは軽減されてきている。
呪術者のかけた “呪い” が、
かけた張本人が死んだコトに拠り浄化されるように。
「でも……」
しかし少女は食い下がるように、制服の中の手を凝視する。
(……)
妙にこだわるな、と想った。
別に不快ではないが。
しかし、一体何がそんなに気にかかっているのか?
少女の前で負傷したコトは、何もコレが初めてではないのに。
「……」
そう想い学帽の鍔で目元を覆う承太郎に対し、
シャナの想うコトはまた別の「意図」
しかしそう想っている少女に対して、次に青年が告げた言葉、は、
「出血も止まったし痛みもねぇ。
“オメーが気にするようなコトじゃあねぇ” 」
「……!」
承太郎にとって、それは少女にこれ以上気を遣わせない為に
言い放った言葉ではあるが、今の少女にとって、ソレは。
「……そう……! なら……いい……!」
シャナは承太郎から顔を背け、そのまま俯いた。
「……」
チト、ぶっきらぼうに言い過ぎたか?
そう想ったが過ぎたコトをこれ以上蒸し返しても仕方ないので
青年は気分を変えるため、制服の内ポケットから煙草を取り出し火を点ける。
その煙草が根本まで灰になる頃、
運ばれてきた料理が次々と円卓の上に置かれていった。
一部様々な中華菓子が山積みとなっており、バランス的にオカシイが。
「……」
誰とはなしに箸をつけはじめ、
承太郎は蒸し鮑の冷菜で琥珀色に澄んだ紹興酒を飲んでいたが、
隣のシャ
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