第109話
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。しかもセシルってあの”英雄王”の側室の一人なんでしょう?それでセシルって、運よく逃げられたのよね?話に聞くところ、大統領初任演説の数日後に国防軍がセシルを探しに来たけど、結局セシルは見つからなくて引きあげたって聞いたし。」
「はい……(やっぱりセシル姉にも手を出してきたのか……)」
「導力ネットで空港の乗客名簿にハッキングして調べた所、リベール行きの飛行船にセシルさんの名前がありましたから、無事メンフィル大使館に避難できたかと。」
「ま、確かにとんでもないとしか表現できない事態だよね。」
真剣な表情で尋ねてきたイリアの言葉にロイド達はそれぞれ重々しい様子を纏って答えた。
「うーん、足が動かないのがもどかしくて仕方ないわね……アルカンシェルの様子やセシルの様子とかこの目で確かめたいんだけど。」
「その、イリアさん……身体の方は、えっと……」
悔しそうな表情で呟くイリアにロイドは言い辛そうな表情で見つめ
「ああ、うん。セイランド先生は、歩けるようになるかどうかどころか、足が治るのも現時点ではわからないだって。まあ、100%無理って断言されたわけじゃないけど。」
「……………そう………ですか……………」
「…………………」
イリアの答えを聞いたロイドは疲れた表情で溜息を吐き、ワジは黙り込んだ。
「ああもう、そんな顔をされたらこっちまで暗くなるじゃないの。あのね―――駄目って思い込んだらそれだけで可能性はなくなるのよ?」
「え………」
「舞台にしてもそうだけど……どこかに必ず”答え”はあるの。どんなに苦しくても、絶望的でも、一筋の光明は”絶対”にあるわ。諦めない限り、きっとね。」
「…………………………」
笑顔で言ったイリアの励ましの言葉にロイドは呆け
「ふふっ……………」
「……凄いね、貴女は。」
ティオは微笑み、ワジは感心した。
「うーん、別に凄いとか言われるほどのものかしら。第一ねぇ、話を聞く限りあなた達の方が大変じゃないの?」
「それは……」
「……確かに、普通に考えれば恐ろしく困難な道のりかと。」
「同じよ、同じ。人って大切なモノのためならどこまでも頑張れる生き物だしね。程度の差あれ……それが人の強さなんだと思う。」
「人という生き物の強さ……」
(そう………そしてその強さを元に”英雄”が生まれていく………)
イリアの言葉にロイドは明るい表情をし、ルファディエルは静かな笑みを浮かべ
「……なるほど。」
ワジは口元に笑みを浮かべて頷いた。
「まあ、あたしはその中でもかなり欲張りな方だと思うけど。それでも本質的なところは他の人達だって同じだと思うわ。うちの劇団員たちも――――もちろんリー
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