SIDE:A
第七話
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って起き上がったリーも抱きついてきた。
ここまで我が事のように喜んでくれて非常に嬉しく思うけれど、やっぱり暑苦しく感じてしまう。
「ハルトよ! 父に勝てたからと言ってここで終わりではないぞ。お前の青春はここから始まるのだ!」
「オッス!」
いや、なんでお前が返事をするんだ!
何故か俺の変わりに元気よく返事をするリーに大きく頷いた師匠は俺の肩を抱き寄せた。
「そういえばハルト、お前は今年からアカデミーに入学だな。どうだ、気持ちのほうは?」
ガイ師匠は俺が二年送れて入学する理由を知っている。妹の汐音もとうとう五歳になり入学できる年齢になったため、俺もついに今年からアカデミー通いだ。
とはいえ、アカデミーで習うことなんて忍者になる上での最低限の知識と技術だけだ。すでに習得している俺からすれば勉学の意味において得るものは何もないと思う。
「そうですか! ハルトもついに今年からアカデミー生ですね!」
「まあそうなんだけどね。でも今の俺からすればアカデミーレベルの知識はなぁ。技術も他のアカデミー生のレベルを考えると本気を出すわけにはいかないし」
「まあそうでしょうね。ハルトくんはすでに上忍レベルの実力がありますから。でも、アカデミーだからこそ学べるものがあると思いますよ!」
弟弟子のリーとは何度も組み手を行い、ガイ師匠との模擬戦を目の当たりにしているため俺の実力を良く知っている。
リーの言うとおり、汐音の傍にいるためとはいえアカデミーは今更感があるんだよなぁ。
「リーの言うとおりだ。確かにハルトからすれば事情があるにせよ、今更アカデミーで学ぶことは少ないだろう。だが、そんなお前でもアカデミーで得られるものが必ずある!」
「それは?」
「それは、友の存在だ! 俺とカカシのように、互いに切磋琢磨し合える無二の存在。それが友!」
暑い、暑すぎるよ! 今、師匠の背後で高く波打つ岩場を幻視したよ!
「お前もそんな存在に出会えるさ。さあ、今日も熱く青春していくぞお前ら! 青春マラソンの始まりだっ! 俺に続けお前たちぃ!」
「オォォッス!」
「うぃーっす」
明後日の方角へ向けて走り出す師匠とそれを追うリー。弟子として俺も付き合わないと。
そんなこんなで、駅伝を軽く超える青春マラソン――百キロマラソンが始まったのだった。恐らく家に帰る頃には足腰立たなくなっているな……。
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