SIDE:A
第七話
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から聞こえてきた。どうやら汐音の遊び相手になっているらしい。
「あいよー! んじゃあ行ってきまーす!」
Tシャツと短ズボンに着替えた俺は家を出て修行場である森へと向かった。
道中、色んな人が気さくに声を掛けてくれる。
「やあハルト。元気そうだね」
「おお、ニオのおっちゃん。元気も元気さ!」
「ハルト兄ー、遊んでよー」
「また今度なエマキ。ちょっと兄ちゃん用事があるからよ」
「おや、ハルトくん。狐ちゃんは今日は一緒じゃないんだねぇ?」
「いつも一緒にいるわけじゃないよ。クーちゃんなら妹の相手をしてるよ。この間はお饅頭ありがとうね、シオ婆!」
「ハルちゃん! これ、狐ちゃんにあげといて!」
「おっ、稲荷寿司か。タマキのおばちゃんが作る稲荷はあいつの大好物だからな、喜ぶよ。ありがとう!」
親しげに声を掛けてくれる人たちに笑顔で応じる。
始めは九尾のクーちゃんに対する風当たりも強かった皆だが、俺の使い魔になって過ごし、一緒に里中を歩き、人と接するうちにこの五年ですっかり受け入れられるようになった。今では皆から『狐ちゃん』や『狐さん』と呼ばれ親しまれている。クーちゃんもすっかり丸くなり笑顔で子供たちの相手をしているから俺も安心だ。
建物の間をぴょんぴょん跳び移りながら走り続け、ガイ師匠と行ういつもの修行場所に到着した。ちなみにこの修行場所は父さんたちの模擬戦や術の開発に使う模擬戦場とは反対側に位置している。
到着するとすでにガイ師匠はリーに修行をつけていた。一つ年下の弟弟子は丸太蹴りを行っているところだ。
「おお、ハルトか!」
「ハルトですか!」
ガイ師匠とリーが暑苦しい笑みを浮かべる。こう見ると、この二人って親子なんじゃないかと思うほど似ているんだよな。
「よぅしリー、一旦休憩だ!」
「オッス!」
その場に座り込むリーを尻目に俺は師匠に報告した。
「それで、どうだった?」
「もちろん、やってやりましたよ! 始めて父さんに一本取りました!」
親指を立てて満面の笑顔を浮かべる。苦節五年。ようやく父さんに勝つことが出来たのだ!
ガイ師匠には前もって打倒父さんを目指していることを伝えてある。今日、父と再び再戦に挑むことも。
弟子の吉報にガイ師匠はぶわっと熱い涙を流し抱擁してきた。
「おおっ、そうか! よくやったなハルトぉぉぉっ!」
「ええっ!? ハルト、ついに火影様に勝ったんですか! すごいですっ、おめでとうございます! やっぱり努力は報われるんですねっ!」
そう言
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