SIDE:A
第七話
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をクナイで弾く。蝦蟇蛙も腰に差したドスを抜き大きく振り上げると、一直線に振り下ろした。
「鬱陶しいんじゃいっ! 蝦蟇大上段落とし斬りじゃあ!」
分厚い刃が分身体を分断しようと襲い掛かる。
それを、分身体は正面から受け止めた。
「気合いガードォォォォ――――!!」
両腕を頭上で交差させて頭部を守る。巨大なドスの刃は蝦蟇蛙の膂力と体重も上乗せされており、人を縦に分断するのも容易な凶刃だ。
しかし、それをまともに両腕で受けたハルトは地面を陥没させながらも耐え切って見せた。腕も分断されていない上に、押し潰されないでいる。
そのあまりに人外染みた行動と結果に、流石の蝦蟇蛙も目を瞠った。
「儂のドスを受けきりよった!」
「えぇー!? ちょ、それはないでしょハルト……!」
開いた口が塞がらない青年。その隙を逃さず、分身体はドスを抱えて持つと、こめかみに血管を浮き出しながら力を込めた。
「気合いパワー全開ぃぃぃぃぃ――――ッ!!」
大地を大きく陥没させ、体中からチャクラと湯気を噴出しながら【気合いパワー】を注入する分身体。
力の差は歴然。蝦蟇蛙は軽く振り解こうとドスに力を入れるが、意思に反してピクリとも動かなかった。
「むっ? こいつ、儂と力比べをしようってのか!」
「うぉぉぉぉぉぉおおおおおおおおおおお――――ッ!!」
徐々に持ち上がっていくドス。それに比例して蝦蟇蛙の巨体が浮き上がっていく。
圧力に耐えられず分身体の足場が崩れ、地面が隆起するがそれでもドスを手放さない。
模擬戦場で使われるそこは平らな大地であったのに、地面は陥没し、所々隆起していて見る影もなかった。
「な、なんじゃとぉぉぉ!」
「ガマブン太!? くっ!」
ついには投げ飛ばされる蝦蟇蛙。十五歳の子供、それも影分身が見上げるほどの巨体を持つ蝦蟇蛙を投げ飛ばした。
天と地がひっくり返るようなありえない光景に青年も一瞬対応が遅れた。
蝦蟇蛙の頭上から飛び降りるが――。
「偽・幻影剣が亜――五月雨」
「あ、やばっ!」
着地するタイミングで上空からチャクラの剣が雨のように降ってきた。
剣の雨は青年の体すれすれで地面に突き刺さり、彼を剣の檻に閉じ込めた。
「……これは、俺の勝ちだよね?」
「ああ、そうだね。ハルトの勝ちだ」
両手を上げて降参のポーズを取る青年。
呆然とそれを見ていた少年は歓喜の声を上げた。
「いやったぁぁあああ! ついに父さんに勝ったどー!」
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