SIDE:A
第七話
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上げた分身体が先回りしていた。
「おおおぁぁぁぁッ!!」
瞬身の術で間一髪魔の手から逃れることに成功する青年。紙一重で眼前を通過した拳は地面を穿ち、轟音を響かせながら大地を爆散させた。
「くっ、我が息子ながら恐ろしいね! 口寄せの術っ!」
印を結び発動させた忍術は口寄せの術。血で契約した生き物を好きな時、好きな場所に呼び出すことができる時空間忍術の一種だ。
そして、青年が口寄せしたのは巨大な蝦蟇蛙だった。巨体に見合うサイズの煙管を咥え、腹にサラシを巻いて法被を羽織った格好をしている。
巨大蝦蟇はその大きな目を自分の頭を見ると、人の言葉を口にした。
「おう、久しいの四代目。今回はなんじゃい」
「やあブン太。今ハルトと手合わせの最中でね、ちょっと僕だけだと荷が重そうなんだ」
青年の言葉に蝦蟇蛙が目の前にいる少年の存在に気が付いた。
久しく見なかった契約者の息子の姿に頬が緩むが、その体から立ち昇っている尋常じゃない量のチャクラと紅潮化した体を見て目を見開いた。
「ほう、あの倅か。大きゅうなったのぉ。って、おい! 八門遁甲開いとるやないかぃ!」
「いやー、ガイからちょっと習っただけで自力で開門しちゃってね。うちの息子、まだ十五歳なのにもう僕より強いんじゃないかな」
「なかなか粋の良い倅じゃのぅ。おっしゃ、ちと軽く暴れるけんのぅ!」
それまで律儀に待っていた分身体は空気が変わったことを肌で感じると、瞬時に戦闘体勢を取った。
そして、それまで地面にしゃがみ込んで状景を見守っていた本体も本格的に加勢することになる。
「んじゃあ第二グランドと行きますか!」
本体の少年が子の印を結び、チャクラを練り上げる。同時に分身体も大地を大きく陥没させて駆け出した。
「創造忍術、偽・幻影剣」
少年の周りに八本の剣が出現した。チャクラで作られたそれらは半透明の剣の形をしており、蒼い光を発している。
四十センチほどの長さを持つチャクラの剣は少年を中心に等間隔で配置され、グルグルと周囲を回っている。
そして、印を丑に変えて、激闘を繰り広げている分身体と蝦蟇蛙を見据えた。
「偽・幻影剣が亜――急襲」
それまでグルグルと回転していた半透明の剣が陣形を変える。少年の左右に分かれると、一斉にピタッと切っ先を青年へ向けたのだ。
射出される剣軍。一定のリズムで放たれる剣は蒼いチャクラの軌跡を残しながら一直線に青年の下へ飛んだ。
放たれるたびに生成される剣。チャクラで構成されているため弾切れは起こらない。
襲い来る剣軍
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