第28話
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上げを行っていたところだったの。」
「なるほど……ここなら確かにうってつけだろうな。」
「うんうん……みんなすっごく良かったよ!前よりも格段に上達してる。……いっぱい練習したんだね。」
学生達の演奏を思い出したエリオットは嬉しそうな表情をした後、羨ましそうな様子で学生達を見回した。
「そ、そうかな〜?」
「まあ、毎日練習漬けだしなぁ。」
「ふふ、ちょっとは上手くなってないとバチが当たるわよ。……でも、エリオット君にも音楽院に来て欲しかったな。」
「それって……」
女学生が呟いた言葉を聞いたリィンは目を丸くして学生達を見回した。
「ああ、もちろん君達のことを悪く言っているわけじゃないさ。その、士官学院でもバイオリンは弾いているのかい?」
「うん、部活でね。一応吹奏楽部に入ったから。」
「そっか……よかった。」
「エリオットは本当に上手だったもんね〜。いつか機会があったらまたセッションしたいな〜。」
「あはは、そうだね。」
学生の一人が呟いた言葉を聞いたエリオットはその光景を思い浮かべて笑顔になった。
「っと、つい話し込んじゃったな。そろそろ音楽院に戻って練習の続きをしないと。」
「ふむ、さすがに熱心だな。」
「ふふ、よかったら夏至祭はみんなで聞きに来てね。士官学院のみなさんも、お待ちしているから。」
「ああ、楽しみにしておくよ。」
「それじゃあエリオット、また会おうな〜。」
「うん、それじゃあまた。」
そして学生達はその場から去って行った。
「エリオット……」
「その……ひょっとして。」
去って行く学生達の様子を見つめて何かを察したリィンとマキアスは尋ねかけたが
「あはは……違うってば。ホテルに報告に行ったら、今日はそろそろ帰ろっか?姉さんが夕食の準備をしてくれてるはずだしね。」
エリオットは首を横に振って否定した。
「……そだね。」
「それでは、行くとするか。」
「うふふ、フィオナお姉さんはどんなディナーを用意してくれたのか今から楽しみね♪」
その後公園を出てホテルに向かい、依頼人に手配魔獣の撃破を報告したリィン達はフィオナが用意してくれている夕食を御馳走になるためにエリオットの実家に向かった―――――
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