第3章:再会、繋がる絆
第57話「手掛かりと異変」
[1/9]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
=優輝side=
「....“聖奈”...か...。」
目の前の家を眺めながら、僕は表札に書かれた名前を呟く。
記憶にはない。だけど、久しぶりな感じがする苗字。
...おそらく、きっとおそらく、夢のあの人物の苗字だろう。
強くそう思えないのは、それすらも阻害されているからか...。
「...さすがに人の家を調べるのは...。」
「...いや、これほどの“違和感”、調べないと...。」
「すずかちゃんの時はやめておいたのに?」
そう。夢の内容にはすずかの家もあった。
だけど、さすがに人の家はやめておこうと思ったんだけど...。
「...バレなければ、問題ない。」
「あのね...。」
椿に呆れられる。...まぁ、当然だわな。
「...認識阻害を多重掛けして、そのうえで気配を消していく...これで完璧!」
「不法侵入という法においての欠点があるけど?」
それは...ほら、やむを得ないというか...。
「...じゃ、行ってくる!」
「あ、逃げた。」
「まぁ...見逃そうよかやちゃん。」
超短距離転移で家の中に入る。住人である夫婦がいるが...まぁ、無視しよう。
転移魔法は魔力反応を消すのが難しいが、ここまで短距離なら隠せる。
家の中に入れば、直感的に最も“違和感”の感じる場所へと向かう。
「(....二階か...。)」
直感に従い、二階に上がる。
同時に、違和感も大きくなる。
「(...何もおかしい所はない...?...いや、これは...!)」
二階の構造にしては、扉が少ない。
それこそ、“一部屋丸ごと分”の空きがあるほど、扉同士の間隔が広い...!
「『リヒト、サーチ!』」
〈『はい!....っ!?...反応...ありません...!?』〉
「な、...っ....!?」
思わず驚きの声を上げてしまいそうになった。
「(反応...なし...!?馬鹿な...!?)」
リヒトは優秀だ。それこそ、まだ子供の体の僕にはもったいないくらい。
それなのに、見つけられないだなんて...!?
「くっ...!」
防音結界を張り、扉が不自然な間隔を空けている真ん中辺りの壁を叩く。
部屋があれば、音が不自然に返ってくるはず...。
「っ...!(...なん、だ...これ...!?)」
返ってきた音が、上手く聞き取れなかった。
ただ単に聞き損ねただけと思いそうだが、明らかに不自然だった。
「(...絶対、何かがある...!)」
だけど
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ