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Blue Rose
第二十話 小さくなる身体その七

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「お酒に薬にって相当な生活だったらしいね、子供が出来るまで」
「麻薬ですか」
「当時は合法だったものもあったからね」
「ヒロポンとかですね」
「そう、覚醒剤ね」
 そのヒロポンのことだ、尚戦前の日本は台湾等ではあえて阿片を合法化しその吸引を免許制とした上で国家が完全に管理し新しい阿片吸引の免許を出さない様にして徐々に阿片患者を減らしていった経緯がある。
「それも合法だったんだ」
「そうだったらしいですね」
「それで坂口安吾も麻薬をやっていたんだよ」
「合法だったから問題なかったんですね」
「ただ、それに溺れていたからね」
「それが問題だったんですね」
「そう、子供が出来て少し経って急死したけれど」
 朝起きて舌がもつれると言ってすぐにだった。
「それもね」
「お酒と麻薬の影響ですか」
「そうだったかもね」
「そうですか」
「横山やすしは明らかにね」 
 この漫才師の場合はというと。
「明らかにお酒のせいだからね」
「漫才出来なくなって余計にだったらしいですね」
「うん、お酒に溺れてね」
 その前から無茶な飲み方をしていたがだ、その散財ぶりも有名だった。
「若くしてだったね」
「破滅型だったんですね、お二人共」
「うん、だからね」
「五十かその辺りで」
「若いね」
 今の寿命からすればというのだ、岡島は医師として言った。
「本当にね」
「姉さんはそこまではいかないですからね」
「うん、気持ちが沈んでお酒を飲んでも」
「ぎりぎりで止まりますね」
「あれで歯止めが効く性格だから」
 だからだというのだ。
「大丈夫なんだよ」
「今もですね」
「そう、一人でもね」
 例え優花がいなくてもというのだ。
「大丈夫だよ」
「そうですよね」
「だから君がいなくても大丈夫だよ、それとね」
「それと?」
「君の姉さんもそろそろね」 
 ここでだ、岡島は話題を変えてきた。今度の話題はどういったものかというと。
「結婚かな」
「そのことですか」
「もうそうした歳だね」
「実はもう相手の人いるんです」
「気付いてるんだ」
「はい、姉さん特に言わないですけれど」
 優花は、というのだ。
「わかります」
「家族としてだね」
「はい、一緒にいましたから」
 いつも傍にいただけにだ。
「わかりました」
「そうだね、だからだね」
「多分僕が大きくなったら」
「その時にだね」
「結婚すると思います」
「君が就職したらだね」
 岡島にもその時はわかった、運転をし前を観ながら言った。
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