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世にも不幸な物語
第十章『忠告と贈り物と・・・・・』
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かった。
「ん」
 零が親指を立てて自分の後ろを指した。そこには鳥居の柱によりかかり地面に座りこんでいる風がいた。
 燃え尽きた・・・真っ白に・・・。の台詞が出てくる位座り込んでいる。
「まだ復活してなかったの?」
「ああ。ったく、これだから現代っ子は」
「俺らも現代っ子ですよ。零殿」
 少し待つとゆっくりと立ち上がり輝達のところに帰ってきた。
 風が復活して早々零に怒鳴りつけていたが、繰り返し(どんでん)になるので輝が仲裁に入りその場を治めた。
 よく飽きずにいつもよくやるものだ。
「さて、遅くなったけど最後は風」
 紫が最後に取り出したのは、一本の剣と二丁の拳銃。
「剣の名はインドラ、放電する能力をもっているわ。こっちの拳銃はイリンとクァディシン、無限に弾が撃てる能力」
「よし、じゃぁ早速」
 武器を受け取って試しをしようと張り切っているが、仕返しをするという魂胆(こんたん)はもうばれている。
 なぜかって?殺気が出ているからだ。
 零もその殺気に気づき動いた。
「いいんじゃね?試さなくて」
「なッ!!」
 鳩が豆鉄砲を喰らったように驚く。
「だってさぁ、能力聞いただけでもう分かるじゃん」
「勝手に決めんなッ!!俺だって感覚を掴みてぇんだよ!!」
「銃撃ったら危ないぜ?それに基本何発入っている銃なのか解かるのか?」
「・・・・っ!!」
 正論すぎて何も言い返せない風。
 誰だって正論を言われると言い返せない。これが現実。
「剣なら!」
「たかが放電するだけの剣を?俺の鳳凰みたいな能力だったら分かるけど・・・」
「・・・・・」
 急に黙って下を向いた。
「ん?どうした」
 零が声を掛けてから間を空けず。
「フザケンナァァァァァアアッッッ!!!」
 と二度目の絶叫を上げ、何時もと変わらないやり取りを行った。
 火の粉が掛からないように輝は二人から離れ、そのやり取りを眺めた。一見仲が悪そうに見えるが、このやり取りがこいつらなりの友情の印なのだから笑える。たまに輝もその中に入る。
「貴方たちって仲がいいのね」
 紫も二人のやり取りを眺めながうらやましそうに言ってきた。
「そうですか?」
「そうよ。仲が良くなければあんな酷いことしないわよ。心から許される仲だから出来ることが貴方にもあるでしょ?」
 本当によく見ている。たったの二回しか会っていないのにそんなことまで見抜くなんて。
「輝は・・・」
「?」
「私のこと恨んでいる?」
 突然変な事を言い出す紫に戸惑ったが、紫の瞳が輝を静かに見つめているのに気づき一旦 (まぶた)を閉じて落ち着き、瞼を開けて紫を見つめ返す。
 ああ、綺麗な眼だ。輝は紫を見てそう思った。
 今まで、いきなり幻想郷に落とした傍迷惑で怪しい奴としか見てい
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