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世にも不幸な物語
第十章『忠告と贈り物と・・・・・』
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 取り乱す輝を冷静に対処するが、かなり動揺している。
「ここここういう場合どうすんの!?」
「水晶を頭につけてみたら?」
「えええええッ!!怖いからヤダ!!」
「ガキかお前は」
「17歳はまだガキだ!」
 一向に落ち着きをみせない輝は周りをアタフタと動き回っている。
 痺れを切らした零は無理やり白山刀を奪い、輝の頭を白山刀で殴った。
「っ!!」
 打たれた輝は不思議な感覚に陥った。体の感覚が徐々に無くなっていくのが分かる。
 頭を打たれた輝の体は俯いたまま動かない。
「おーい、輝」
 心配になり零が肩を叩こうとした。
その時、急に輝の体が前を向き。
「最初に言っておく・・・・特に言うことはない」
 と、訳の分からないことを言い出した。
「・・・は?輝なに言ってんだ?」
「俺は輝と言う名前じゃない。弟祢舞(でねぶ)だ」
 どうやら輝の体には弟祢舞と名乗る人物が憑依しているらしい。
「所で」
「ん?」
「一体ここは何処?さっきまで地獄の鬼さん達に料理を作っていたんだけど」
「えっと、この世」
「・・・・・・えぇ!?俺は蘇ったの!?」
「いや、そうじゃなくて、今弟祢舞が入っている体の持ち主、輝が弟祢舞を呼んで憑依させたんだ」
「あ、そう言えば誰かの声が聞こえていつの間にかここに来たんだ。そうかだったのか〜」
 零は今目の前にいるのが輝であって輝ではない輝がいる。
 見た目は輝なのに喋りかたや動きの仕草、それに雰囲気までもが違う。
『どうなったんだ?』
 どうやら憑依されても輝の意識はあるようだ。
「君が輝君かい?」
『そうですけど。誰ですか?』
「やや、紹介がまだだったね。俺は弟祢舞。ゆろしく!」
『どうも』
 二人が会話を交わしているが周りには輝の声が聞こえていない。つまり、傍から見れば一人で喋っている可笑しな人である。
「これ、輝君にあげる」
 弟祢舞の手にはいつのまにか飴玉が数個乗っていた。
『いつのまに出したんですか?』
「ああ、これ俺の能力。いつでも何処でも色んな味、形、硬さの飴を作れる能力だ」
『へ〜〜』
「そろそろ帰るね。困ったことがあったらいつでも呼んで。力になるから!それじゃぁ」
『あ、ありがとうございます』
 弟祢舞が帰ると体の感覚が戻った。
 少々驚いた。まさか本当に憑依が出来るなんて思はなかった。
「輝なのか?」
「おう」
「なんか、すごいな。色々と・・・・」
「うん、すごかった。いろいろと・・・・」
 輝と零は色々とツッコミを入れたいがしないことにした。ツッコミを入れたら負けな気がしたからだ。
「風は?」
 先ほど貰った飴をお皿に置きながら零に尋ねた。
本来なら輝が憑依して弟祢舞に色々とツッコミを入れても可笑しくはないのだが今回はな
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