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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第238話 秘密
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いるのか判らなかったから、レイナは振り返ったのだ。
リュウキは、眼を瞑っていた。……が、レイナの言葉を訊いてゆっくりと眼を見開いた。
何処か、表情は穏やか。それでいて、眼の奥に秘められた何かが一際輝いている様にも見えた。
軈て、返答を待っていた皆の視線も自然とリュウキへと変わってゆく。
「――この手の挑戦は、本当に久しいな。そういえば、皆に止められていたから、こう言った試みをしなくなったのかもしれないから」
懐かしむ様に、リュウキはそうポツリとつぶやいていた。
それを訊いた、スリーピングナイツの皆は、『戦うなら、皆で頑張ろうよ!』と仲間達に言われたのだろう、程度にしか考えていなかったのだが、アスナやレイナには言っている意味がよく判った。
嘗ての世界――。魔法は一切なく、剣1つで目指した浮遊城の世界。
彼は、全層をただ1人で闊歩し続け、更には出回っているイベント、その中でもボス級の敵への攻略等、全てを1人で行っていたのだ。今思っても危険極まりなく、だが それでいて彼を諫めようとしたりする者も、層が上がってゆくにつれて、少なくなっていき――最終的には、リュウキが心を開き、接する様になって、……他人とのつながりを大切にする様になって、圧倒的に減少した。
あの生と死が隣り合わせだった世界ででは、心の奥に《他の誰かの為に》と言う想いがあったリュウキだったが、今は 平和な世界。その世界でのこの手のプレイ法は云わばやり込みプレイだ。十八番、とも言えるだろうから、昔の血が騒いだ、と言うのが正解かもしれない。
「オレには、異論はないよ。……少数でのボス戦? 超強敵? ……全部、望む所だ、と言いたい、かな」
そう言って笑っていた。
そして、アスナも笑顔で頷くと 改めてシウネーを、そして ランや優希、他の皆を見て言った。
「気持ちは固まりました。……やるだけ、やってみましょうか。この際、成功率とかは置いといて。……ん、いえ 成功率は十分ありますね」
アスナは、一瞬だけ言葉を切って、言い直した。
――こちらには、妹の最愛の旦那様にして、
伝説の勇者様
(
・・・・・・
)
がいらっしゃるのだから。
と、内心では ニヤニヤと破顔しそうだったのをしっかりと我慢したアスナだったが……。
「……今、妙な事、考えてないか? アスナ」
表情は見られてないと言うのに、訝しむ様なリュウキの言葉が聞こえてきた。本当に妙な所で察しが良いのは変わっていない。
『この察しの良さを、最初から妹の想いに向けてくれていたら――、もっと早い段階で通じ合えたと思うのになぁ』
と 最早通じ合えている今では別に良い事ではあるのだが、昔の事を思い出していたからか、アスナは再びそう思って、苦笑
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