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ソードアート・オンライン〜Another story〜
マザーズ・ロザリオ編
第238話 秘密
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します。その前に、どうぞ お座りください」
ユウキとランの肩を優しく触れながら、そういうのは長身ウンディーネ、シウネーと名乗った女性だった。ランも 少し驚きつつ シウネーの顔を見ていたが、柔らかな笑みを向けられ、同じくランも笑顔になった所で 丁度3人も席に着いた。
「皆さんは もうお察しかもしれませんが、私達はこの世界で知り合ったのではないんです。ゲーム外のとあるネットコミュニティで出会って……すぐに意気投合して友達になったのです。もう……2年ほど経ちますか……」
睫毛を伏せたまま、何かを思い出すように一瞬だけ言葉を切ると、直ぐに再び口を開いた。その僅かな微笑み、表情の緩み、それだけで この後に言う言葉に嘘偽りが無い。決して
役割を演じる世界
(
ロールプレイ
)
ではない、と言う事が直ぐに3人は判った。
「最高の仲間たちです。みんなで、色々な世界に行って、色々な冒険をしました。……本当に、昨日の事の様に、これまでの思い出が心の中に残ってます。そして、きっとこれからもずっと、色褪せる事は……ありません」
シウネーは、目を閉じ、遠い世界から現在の世界までを脳裏に思い浮かべているのだろう。その表情は本当に穏やかだったから。
だが、その表情もやや陰る。
「ですが、残念な事ですが、私達が一緒に旅をできるのも、たぶんこの春までなんです。みんな、みんな……それぞれに忙しくなってしまいますから」
陰りが見えていたのだが、そこまで口にした所で 再び一変。
身を乗り出す勢いで、顔を上げて続けた。
「そこで、私達は、このチームを解散する前に、ひとつ……ひとつ絶対に忘れることのない思い出を作ろうと決めました。……無数に存在するVRMMOワールドの中で、いちばん楽しく、美しく、心が躍り―――、そして、とても
明るい
(
・・・
)
世界を探して、そこで力を合わせて何か一つやり遂げよう、って。そうしてあちこちにコンバートを繰り返して、たどり着いたのがこの世界なのです」
そこでシウネーは、仲間達を順に見回した。ジュン、テッチ、タルケン、ノリ、ユウキ、ラン。6人は、それぞれ顔を輝かせて大きくうなずく。それだけでも、皆が同じ気持ちなのだ、と言う事がよく判る。
「この世界――妖精郷アルヴヘイム、そして 浮遊城アインクラッドは、素晴らしい所です。美しい街や森、草原、世界樹―――そして、この城を皆で連れ立って飛んだ思い出、翅を広げて――、この明るい太陽の中に、
光の中
(
・・・
)
に飛び込んで、包まれた思い出は、全員永遠に忘れる事はないでしょう」
彼女の言葉の中で、少々
感じる
(
・・・
)
所があった。
それが、何処か? とは言わない。心の中に、忘れる事なく、心の中に秘めている大切な物。
それがあってからか、彼女達が、それ
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