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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(碧篇)
第106話(断章終了)
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か……」

ケビン達の説明を聞いたロイドは溜息を吐いた。

「勿論、それ以外の国だって恐慌や混乱とは無縁じゃない。特に今までエレボニアとカルバードに押さえつけられていた地域ではキナ臭い動きも出始めている。―――そんな中、ディーター大統領は各地に働きかけているらしいんだ。クロスベルを盟主とする新たな秩序に参加するようにとね。」

「その一方、メンフィルは援助や膨大な戦力や国力を盾に各地域に呼びかけている。同盟を組むかメンフィル帝国領となり、『クロスベル独立国』とクロスベルと組んだ各地域と戦う事を。」

「………世間ではクロスベルを盟主とした『ゼムリア連合』とメンフィル帝国を盟主とした『ゼムリア同盟』の戦争がいつ始まってもおかしくないと言われている状況よ。」

「さらにクロスベル郊外の各地に散らばって潜伏しているヴァイス達―――”六銃士”も機を窺って”六銃士派”の者達と共に反乱を起こすつもりじゃ。」

そしてワジとセリカ、エオリア、レシェンテはそれぞれ真剣な表情で説明をし

「………………………当然、その背景には”至宝”の力があるわけか。」

説明を聞き終えたロイドは厳しい表情で黙り込んだ後目を伏せて呟いた。



「もちろん。かつては大陸最強と言われたエレボニア軍をあっさり撃退できるだけの力だ。しかも、今は”結社”が用意した4体の人形兵器しかないけど……それが増産されて、全てが”至宝”の力を受けて大陸全土に飛ばされたりしたら?」

「くっ………キーアは……あの子はそんなことはしない!」

ワジの言葉を聞いたロイドは唇を噛みしめて叫んだ。

「―――ちなみにあの人形兵器は至宝が操っているわけではない。至宝の力を受け、自律的に行動する”守護者”のような存在だろう。あの”殲滅天使”が使っている”パテル=マテル”という機体同様。」

「あ………」

「……その意味では、その子の意志とは関係なく勝手に動いとるってことやね。それどころか、関係ない連中に利用される可能性だってある。」

「キーアちゃんの意志とは別に……それだけの”力”が持つ危険性は無視できないという事でしょう。」

「…………………――――貴方達の意見はわかった。それでも構わないから……今は協力を頼みたいと思う。」

アッバス達の説明を聞いたロイドは黙り込んだ後、ワジ達を見回して言った。

「へえ……?てっきり申し出を突っぱねるかと思ったけど。」

ロイドの返事を聞いたワジは目を丸くして尋ね

「俺だけで何とかなる事態じゃないのは確かだからな……解決が長引けば長引くほどあの子も苦しむかもしれない………」

尋ねられたロイドは複雑そうな表情で答えた。しかし

「――――だが!もし、あんた達が勝手にキーアの処遇を決めよう
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