第105話
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め続けていた。
「既に”プレロマ草”もクロスベル全土に咲き乱れている。今やクロスベルそのものが”至宝”と一体化してしまったと言っても過言ではないだろう。」
「”プレロマ草”というのは結局なんなんだ?地下に流れる七耀脈に関係するとは聞いたけど………」
「かつての”幻の至宝”が人と地上を識るために咲かせた眼にして依代とでも言うべきか。”至宝”と霊的に結びつくことで周囲の空間を歪ませたりもする。本来、この次元には現れない”幻獣”などが出現しているのもそのあたりが原因だろう。」
「なるほど………かつて”D∴G教団”がやってきた非道な儀式の数々………あれにプレロマ草を原料とした”グノーシス”が使われた事にも理由があったんだな?」
ツァイトの話を聞いていたロイドは厳しい表情で尋ねた。
「うむ、恐らく犠牲となった数多の被験者の知識や人格………それらの膨大な情報が”太陽の砦”に眠る”彼女”に送り届けられていたのだろう。それらの情報は自己組織化され、より高位の人格を生み出すための苗床となり……そして500年の時を経て、”至宝”の”核”は目覚めた。」
「…………………………………」
そしてツァイトの説明を聞いたロイドは疲れた表情で黙り込んだ。
「―――私がおぬしに伝えられるのはこのくらいだ。”彼ら”は周到に計画を練り上げこの状況を作りだした。その意味で、おぬしの取れる選択肢は余りにも少ないだろう。このままほとぼりが冷めるまで異国に逃れていたらどうだ?」
「はは、そうだな………カルバードだったら叔父さんの家もあるし、悪くないかもしれない。」
ツァイトに尋ねられたロイドは苦笑しながら答えた後クロスベル市を見つめ
「―――でも、止めておくよ。一番知りたい真実をまだ確かめていないからな。」
口元に笑みを浮かべて答えた。
「なに……?」
「それを確かめるためにも……俺にはみんなの力が必要だ。エリィ、ティオ、ランディ。それ以外にも大勢の力が………そのためにも俺は……”あちら側”に戻るよ。せっかくここまで送ってくれて悪いんだけどさ。」
「………………………確かめたい真実とは、何だ?」
ロイドの話を聞いたツァイトは黙り込んだ後尋ねた。
「―――決まっている。力や生い立ちに関係なく………あの子が―――キーアが”本当はどうしたいのか”って事さ。多分、あの子を取り戻さない限り、本心は教えてくれないだろうからな。」
「……………………」
「それに、かつての”至宝”が耐えられなかったほどの重圧に晒されてるかもしれないなんて………そんな環境に、うちのキーアを置いておけるわけがないだろう?大統領やアリオスさんを殴り飛ばしても――――いや、例え大統領達を殺してでも絶対に連れ戻す!」
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