第101話
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を逮捕できたのだって運が良かったのが重なっただけさ……そうだ……別に俺達は実力で”壁”を越えたわけじゃないんだ……」
ガルシアの言葉を聞いたロイドは肩を落として呟き
「ケッ、辛気臭ぇ小僧だな。」
ロイドの様子を見たガルシアは舌打ちをした。しかし
「………ま、無理もねぇか。噂を聞く限り、とんでもねぇ状況になってるみたいだしな。IBC総裁が全ての黒幕で今や独裁国家の大統領……赤い星座やら結社やら黒月やら、国防軍に風の剣聖までことごとく敵に回ってるわけだ。クク、トリプル役満どころの話じゃなさそうだなァ?いくら”六銃士”どもが反乱分子で手勢もいるとはいえ、戦力差があまりにも違う。いつまで耐えられるかねェ?」
ある事を思い出して呟き、口元に笑みを浮かべてロイドを見つめ
「………………………」
見つめられたロイドは黙り込んでいた。
「ま、今は嵐が通り過ぎるのを待ってるのが正解ってモンだぜ。この状況で抗おうなんて正真正銘の馬鹿しかいねぇだろ。―――てめぇの兄貴みてぇな、な。」
その時ガルシアはベッドに寝転がって呟いた後ロイドに視線を向けた。
「………ぁ……………そう言えば、うちの兄貴と面識があるんだったか……?」
ガルシアの言葉を聞いたロイドは驚いた後顔を上げてガルシアを見つめて尋ねた。
「フン、面識というほどぬるいモンじゃなかったがな。こちらが幾ら脅しつけても懲りもせずに嗅ぎ回ってくる……かと思えば、ハッタリ屋台で出くわした時に平気で一杯勧めてきやがる……厄介で忌々しい若造だったぜ。」
「はは……兄貴らしいな。」
「……ま、殺しても死ぬようなタマには見えなかったがアッサリ逝っちまったからな。世の中なんて、わからねぇものだぜ。」
「……………兄貴はずっと……抗い続けていたのか?」
「ああ、ウチ(ルバーチェ)以外にも首を突っ込んでたらしいからな。大物議員の汚職から両帝国と共和国の諜報活動、ヨアヒムの野郎の動きまで……呆れるくらい精力的だったのは間違いねぇだろう。」
「………そっか………」
ガルシアの話を聞いたロイドは疲れた表情で答えた。
「―――おい。カン違いしてるみてぇだが。ガイ・バニングスってのは別に”スゲエ男”じゃなかったぜ?」
するとその時ガルシアは起き上がってロイドを見つめて言った。
「え……………?」
「キレと凄みで言うならマクレインの方が上だし、搦め手と根回しだったらセルゲイの方だろうしな。合理的な判断と処理能力なら一課のダドリーの方が上……そしてそれら全てを兼ね備えたルファディエルには今上げた名前の奴等の誰もが敵わねぇ…………つまりはその程度ってわけだ。」
「……それは………(……考えてみれば確かにそうかもしれない
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