第27話
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んだ。ただ、あの火事については……テロだって噂もあったけどね。」
「それは……物騒な噂だな。」
エリオットの話を聞いたリィンは真剣な表情をした。
「まあ、あくまで噂は噂だが。」
一方マキアスは信じていない様子で呟き
(……アレか……)
(パパが解決した例の事件ね。)
心当たりがあるフィーとレンは小声で呟き
「へ?」
「や、なんでも。」
「レンも何もないわ。」
自分達の小声に気付いたリィン達に見つめられた二人は答えを誤魔化した。
「………………」
一方二人の答えを聞いて黙り込んでいるラウラを見たリィン達は冷や汗をかき
「と、とにかく中に入るか。」
「父さんにもらった鍵が使えるはずだ。」
空気を変える為にリィン達は鍵を使って建物内に入った。
「意外と綺麗に片付いているな……」
「あちこちに何か張られてるみたいだけど……」
建物内に入ったリィンとエリオットはそれぞれ興味ありげな表情で周囲を見回していた。
「管理機関を示しているみたいだな。どうやら現在、この建物は『帝都庁』の管理下にあるようだ。」
「帝都知事がこの場所を用意できたのも、そういうカラクリか……」
「……それで宿泊場所は?」
「1Fは受付カウンターしかないみたいだし……多分、2Fじゃないかな?一旦荷物を置いてから、”実習課題”の確認を始めよう。」
その後リィン達は男子と女子に別れて2Fのそれぞれの仮眠室に荷物を置いた後、テーブルに集まった。
「……仮眠室のベッドまでご丁寧に真新しいものが用意されていたようだ。ホテルじゃあるまいし、どう考えても分不相応だろう……」
「うふふ、細かい事は気にしなくていいじゃない♪」
「あはは、さすがはマキアスのお父さんだよね。」
「まあ、お心遣いに感謝するべきだろう。」
「―――よし、それじゃあ今日の課題を確認するぞ。」
そしてリィン達は封筒を開いて依頼内容を確認した。
「ふむ……帝都となればさすがに様々な依頼があるようだな。」
「ああ……それぞれきちんと事情を確かめる必要があるだろう。」
「僕らA班の担当は”ヴァンクール通り”から東側のエリアだけど……午前中に一通り回ってみた方がいいかもしれないね。」
「賛成。どこに何があるかくらいは把握しておきたいかも。」
「そうね……活動している地域の地形は把握しておかないと不味いし。」
「ああ、依頼をこなしつつ”導力トラム”なんかも使って一通りの街区に行ってみよう。各街区の案内はマキアスとエリオットに任せていいか?」
クラスメイト達の意見に頷いたリィンは帝都の地理に明るいマキアスとエリ
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