機動戦艦ナデシコ
1417話
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
坂に会えるというのを聞けば万難を排してでもこっちに来ると思う。
白鳥から話を通すようには言ったが……さて、どうなるだろうな。
シャドウミラーの力がどのようなものかを理解している白鳥も、まさか俺達の事を草壁に言うような真似はしないだろう。
木連が真っ当な道を進んでいるのであればそんな真似をするかもしれないが、今の木連はクーデターを起こした賊軍に協力する形だ。
とてもではないが、正義の味方とは呼べないだろう。
……まぁ、敵国を割って、片方に味方をするというのは国家として考えれば不思議でも何でもないんだが。
うん? もしかして草壁は、100年前に月でやられた事を仕返しする為にわざわざ同じような状況に持っていった……とかじゃないよな?
俺との話に飽きたのか、神楽坂は近衛や桜咲の側で話をしている。
「あら、振られちゃったの?」
「何をどうすればそう見えるんだよ」
紅茶の入ったカップを俺の方へと差し出しながら告げて来るエリナの言葉にそう返すが、何故かエリナは不思議そうな表情を俺の方へと向けてくるだけだ。
うん? 今のやり取りで何かおかしなところがあったか?
だが、エリナはやがて何かを悟ったかのように俺の隣へと座る。
「まあ、分からないなら分からないでいいわよ。その方が私にとっても幸運かもしれないし」
「何がだ?」
疑問を抱くが、エリナは意味深な笑みを浮かべるだけで何かを口にするような真似をしない。
「それより、今日は随分とゆっくりね」
露骨な話題逸らしだと思うものの、俺には意味不明な会話を続けられるよりはマシだと判断して言葉を続ける。
「最も有望だった白鳥に伝手を作る事が出来たからな。今はこれ以上何かをする必要もないだろ。種は撒いた。後はその種の芽が出るのをじっくりと待つべき時だ」
色々な意味で白鳥との伝手を得られたのは俺にとっても都合が良かった。
白鳥は若手の中では影響力が非常に高い。
あの血の気の多い月臣も、白鳥の言葉で押さえられるしな。
秋山の影響力は白鳥と同じくらいだが、その秋山自体が穏健派とでも呼ぶべき存在だ。
……最大の問題は、やっぱり秋山とか月臣よりも草壁だよな。
部下には穏健派とでも呼ぶべき者達が――月臣を除いて――揃っているのだが、草壁は強硬派の筆頭だ。
それこそ武力で地球を屈服させる事を狙っていると言われても、俺は驚かない。
「ふーん……つくづく木連というのは意味が分からないわね。あんなアニメに一生懸命になっているとか、ちょっと理解出来ないわ」
「その時点で、エリナは木連との交渉役には向かないのかもしれないな」
木連と交渉をする上で最も大事なのは、言うまでもなくゲキガンガーだ。
最低限ゲキガンガーを最初から最後ま
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ