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君に出逢えた奇跡

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わちゃん、とうわ言の様に何度も呼ばれる名前も、巻かれた熱い腕も柔らかい唇も全てが岩泉をクラリと快感の淵に落としていく。全身が及川のことしか考えられなくなって、及川が全てになる瞬間。
「……っ、は、」
ぐちゅ、ぐちゅ、と結合部から聞こえる音がリビングに響いて二人の熱を昂らせる。吐く息も交わす言葉ももう全てが二人だけの世界で満ち満ちてくのは繋がれる奇跡みたいな幸福。
「おいかわ、好きだ……っ」
囁いた岩泉の声と抉る様なストロークに及川が大きく身体を跳ねさせて擦れた二人の腹の間で達する。それを皮切りにきゅーっとナカが収縮して搾り取られる様に岩泉もまた熱い内部に精を吐き出す。
「……は、……ッァ」
ぱたり、及川の首筋に顔を落とした岩泉がちゅっと首筋に吸い付いて、その汗で濡れた首筋を舐め上げるからぼんやりと及川がくすぐったいよう、と呟く。幸せそうに笑って。
「……ねぇ、岩ちゃん、待っててくれてありがとう」
俺と生きてくれてありがとう、ぽつり、ぽつり、瞳を伏せて呟いた及川に岩泉が顔を上げてくしゃりと笑う。それから壁の時計を見つめて時計の針が午前零時を回っていることに気づくと少し身体を持ち上げて軽く口付ける。
「今月はお前の誕生日祝い、しねぇとな。二人で」
及川もくしゃり笑って、岩ちゃんもっかいキスして、そう強請るから七月になったばかりの二人の部屋はどこまでも幸福感で溢れていた。

はんぶんこの日、二人で過ごす部屋、二人の空間、傍に居るだけで幸せ。そう思えるから、だから居てくれてありがとうの日。

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