二
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ばかりにくつくつ笑った岩泉がおねだりに、扇情的な姿に双眸細めて胸の触ってもいないのに期待に膨らむ先端にちゅっと口付けては噛み付く。
「いつもすな……ァ!」
ぶるり、震えた身体はびくりびくりと背中をソファーに跳ねさせて長い睫毛がパサリパサリ揺れる。紅潮した頬に笑んだ及川がもっと、と痛みさえも心地よいとばかりに訴えるから何度も甘く食む。その都度、切れ切れに熱い吐息を薄い唇から漏らすものだから岩泉の熱も高まる。気付けば、及川は自らの性器を岩泉の太腿に一心不乱に擦り付けるように腰を揺らめかせていて岩泉は口角をあげる。
「は、えっろ」
笑われた及川はもうぼーっとした意識の中でそれでもなお残る羞恥心を呼び起こすとかぁっと頬を染め上げ眉を寄せる。だって、とかムリ、とか岩泉の頭に降ってくる言葉たちは全て及川の身体とは裏腹で、それさえが愛おしさを含んでいた。
「なぁ、知ってたか、お前、本当は俺と同じくらいに産まれるはずだった、って」
音を立てて唇を先端から離すと舌舐めずりをした岩泉がどうにもとろりと回らなくなった頭を連れた及川の頬を撫でながらベルトに手を掛ける。
「ん、は、知ってるよ……ほんとは、ッ、もっと早く産まれるはずだったんでしょ?」
ゼェゼェと肩で息をしながら及川が答える。
いつの話だったか、もう忘れたけれど、どちらの母親に聞いたのかもうろ覚えだけど、確か岩泉の母親に聞いたんだったような。二人は同じ月の同じ頃に産まれる予定だった。それが及川の出産予定が遅くなって、岩泉の予定が早まった。そうして二人には四十日という差が出来たのだ。もし、当初の予定通りなら、あんた達は双子みたいに誕生日が近かったわね、そう云って笑ったのは及川の母親だった。その時は、それがどうしたと別になんとも思わなかったけれど、今になってはそうだったらなんだか運命的、だなんて及川は思う。今だって充分運命的な距離だけど。
それに、一ヶ月とちょっと、岩泉を一人にすることすらなかったのに、とも思う。なんだか口惜しい気がした。
下着ごとズボンを下に下ろして擡げた熱に指を絡められる。熱いそこはぴくりと岩泉の掌の中で蠢いて、ぽたりぽたりと歓喜の雫を垂らす。同時に及川が声が上がるのを抑えようと両手を口に運んで塞ぐ。くぐもった声に不満そうに岩泉が声出せよ、と呟くと手を払いのけ纏めて握るものだから喉を反らして及川が喘ぐ。甲高い掠れた声をあげて。
「いわちゃ、……ァ、ア、離してっ、」
網戸になっている窓を気にした及川がチラリ窓を、漆黒の闇を見つめては困り顔。声は大きくなるばかりだった。
「やだ、お前が遅くに産まれて来たのがわりぃ」
聞こえてきた声にぱちくり、及川が瞬きして一瞬考えたのちに小さく微笑む。
「……なにそれ、可愛いかよ」
あぁ、同じ気持ちかもしれない、そう思えば自然とクスクス笑った
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