二
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なく額を合わせて笑うとまた口付ける。ちゅ、ちゅう、角度を変えて柔らかい唇を堪能するように。下唇の内側を無防備に、薄っすら開けたそこを指先でなぞられるとゾワリ、及川が震えた。かと思えばぺろり、舐められ、執拗に弱いとわかっているから、抉るように舌先が内側を行ったり来たりする。
岩泉のキスは麻薬みたいだと思う。その証拠に、勝手に瞳は蕩けて唇はだらしなく開いて、終いには受け入れている。
奥に引っ込ませた舌先を無理やり絡め取られて啜られて、零れる唾液と漏れ出る自分のものとは思えない甘ったるい声に背筋がぞわぞわする。
「んん……っ、」
いわ、ちゃ……飲み込まれそうになる声を小さく上げるものの、頬を掴まれてビールの香りが微かにする苦い口付けが止むことは無くどんどんと体重を掛けてくる岩泉に、ソファーに身体を沈めて行く羽目になる。
ちゅっぱ、そよぐ風に流れるように鳴るリップ音が銀糸を紡いで二人を繋ぐ。
じっ、真っ黒な瞳が及川を捉えて離さなく、息が詰まる。切羽詰まったのはどちらが先か。
「……すき」
絞り出すように及川が呟く言葉に反応するように無茶苦茶に甘い口付けが落ちてきて、Tシャツの裾から手が滑り込む。
「んん、ふ」
鼻に掛かった声が部屋に響き渡る。岩泉の好きな及川の誰も知らない甘い甘い声。優越感は何年経っても岩泉を心地よく包み込む。
大きな掌が、あったかい岩泉の掌が及川の肌を弄る。じわりじわり、体温が上がるのを感じた及川が組み敷かれた下でじた、少し身動いで上に逃げようとする。これからもたらされる快感を思うと幸福感と一緒に怖さもあるのだ。何度身体を重ねても、その強い快楽に飲み込まれる瞬間は堪らなく怖くて及川は逃げたくなる。そんな及川を逃さないとばかりに体重を掛けた岩泉が、唇を割ってどんどんと奥へ舌を滑らせる。
「んんっは」
息苦しさに瞳を細めて涙を浮かべた及川が困ったように岩泉を見るのにも関わらず、岩泉は瞳で笑うばかりで貪るように口内を荒らしてくる。上から降ってくる唾液を喉を鳴らして飲み込みながらされるがままの及川はとろり、やっぱりキスに溺れていくようで、蕩けさせた瞳を細めて、首にゆったりとした動作で巻き付けた腕で岩泉の頭を掻き抱いて恍惚とした表情を浮かべる。
「……は、いわ、ちゃん」
唇が再度離れると物足りないとばかりに酸素を求めるように大きく胸を上下させつつも岩泉を舌ったらずに呼ぶ。そんな様子が岩泉を急かせて引っ張る。ぐっと早まる鼓動を堪えながら鼻先に口付けてやり、バンザイを強要して上衣を脱がす。無駄な肉のない、及川の上半身の至る所にキスを落としていく。ただ一点だけは抜かして。それに気付いた及川が物欲しそうに腰を、既に張り詰めた自身を岩泉の太腿にあてながら揺れる眼差しで岩ちゃん、と急かす。
「こういう時は素直かよ」
先程笑われたお返しと
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