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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百四十話 嵐の前
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うまでもないだろう。

「元帥、これは」
「レムシャイド伯に頼んで調べてもらいました。もっとも信じる信じないはそちらの自由ですが」
「……」

文書にはルパート・ケッセルリンクがルビンスキーの息子である事が記されていた。後は元帥の言う通りこの文書を信じるか否かだ。

「元帥、随分と私を気にかけていただいているようですが、私はそれに対しどうすればよろしいのでしょう?」
フェザーンを裏切れと言うのだろう、笑止な事だ。

「私を助けて欲しいのです」
「?」
助ける? いずれ起きる内乱で味方しろということか? いや違うな、そんな単純なことではないだろう。

「以前にも言いましたが、私は宇宙を統一し戦争を無くすつもりです。宇宙から戦争を無くすのに後三年、本当の意味で宇宙を統一するのに三十年ほどかかるでしょう」
「……」

元帥は淡々と言葉を紡ぐ。彼が話すと既に決定しているかのように聞こえる。不思議な気分だ。

「弁務官には新帝国の閣僚として通商関係を取り扱って欲しいのですよ」
「!」
俺を新帝国の閣僚に? 通商関係を任せる? 本気で言っているのか? 俺は目の前で微笑むヴァレンシュタイン元帥の顔を呆然と見詰め続けた……。



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