第5話 断罪
[1/6]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
飯を食った後、成り行きで仕事を受けてしまった。
受けたのは俺じゃないんだが、金も無いから丁度良いだろう。
あれ、でも金のことは言ってなかったな。
…はやまったか?
だがまあ、受けたからには仕方ない。
影で創る馬で行きたかったのだが、影が出来ていないので断念。
とはいえ、俺には魔法がある。
身体への重力を半減させると、同時に身体全体に風を纏わせる。
「行くぞ、シュトラーセ!」
フラグ女――名前を言っていたが、忘れた――は、走っていくようだ。
こいつ、脳筋だったのか。
緊急事態ということで門を素通りし、山賊のいるという森に向かう。
森には30分ほど走ると到着した。
しかし、俺はともかく、フラグ女の体力はどうなっているんだ。
多少息切れしているが、まだまだ元気のようだ。
脳筋な上に、体力バカか…。
「到着したわけだが、結構広そうだな」
「そのとおりだ。そのため、迷った結果、この森に住むモンスターに殺される冒険者が大勢いる」
広いだけで迷うか?
広いのが分かっていれば、目印くらいはやると思うが。
他に何かあるのか?
「真偽は分からんが、この森には風と森の精霊が住んでいると言われている」
なるほど。
精霊とモンスターは、ある程度は共存しているのか。
精霊が迷うことに関係してんのかな。
「まあ、その話はまた今度だ。今は、山賊だ」
「それなら心当たりがある。ここから少し行ったところに、洞窟がある」
「行ってみるか」
俺は道を知らないので、フラグ女を先頭に森へと足を踏み入れた。
森は鬱葱と木が茂り、空を見ることも出来ないほどだった。
これでは、昼でも薄暗いだろうな。
「待て、シュトラーセ。ゴブリンがいる」
10分ほど歩くと、不意にフラグ女が足を止めた。
茂みに身を隠しながらフラグ女の指差す方向を見ると、ゴブリンが2匹いた。
緑の身体に醜悪な顔。
150cmほどの身長をしたモンスターだ。
ゲームではやられ役だが、やはり実際は違う。
身長はそれほど高くは無いが、腕や脚は結構太い。
手に持つ棍棒で殴られたら、骨折はするだろう。
まあ、当たらなければいいのだが。
「奴らは私がやろう」
「任す」
「…少しは手伝おうと思わないのか?」
「いや、まったく」
フラグ女は溜め息を吐くと、腰から下げていた鞘からロングソードを抜くとゴブリンへと斬りかかった。
不意打ちで繰り出されたロングソードは、1匹のゴブリンの左肩に喰いこんだ。
フラグ女はそのまま剣を下に振り下ろすと、ゴブリンは縦に両断された。
「グギャッ!ゲギャッ!」
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ