第5話 断罪
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残ったゴブリンもようやくフラグ女に気付くが、すでに遅かった。
フラグ女は空いた左手を腰の後ろに回すと、ククリを引き抜きゴブリンに顔に突き刺した。
「グゲェーッ!!」
ゴブリンは悲鳴を上げながら後ろ向きに倒れると、数秒ほど暴れた後、動かなくなった。
ちなみに、ククリはシンガポールの警察部隊が実際に使用しているらしい。
使用しているというか、腰に差しているらしい。
…どうでもいいな。
俺は茂みから出ると、物言わぬ躯なったゴブリンから抜いたククリの血を拭うフラグ女に近づいて行く。
「強いんだな」
「私なんか、まだまだだ。上には上がいる」
「それはそうだな」
「切り替えが早すぎる。もうちょっと私を褒めろ」
ふぅ、メンドクサイ。
俺は同じくオリジナルで創った魔法を、両目に使う。
〔生命感知〕の魔法だ。
その名の通り、生物を感知する魔法だ。
アンデッドを感知できないのが難点だが、まあ使える魔法だろ。
そうじゃないと、創った意味が無いからな。
「あっちに何かいるぞ。数は…5」
「聞いてないな。…恐らく、目的の山賊だろう。行こう」
今度は俺を先頭に歩いて行く。
そこからはモンスターに運良く出会うことも無く、洞窟の前まで来た。
〔聴覚強化〕を使うと、確かに男の野太い声が聞こえてくる。
「ここだな。声も聴こえる」
「聴こえるのか?って、ああ。魔法か」
当たり前だ。
「フラ…。ここで待ってろ。俺が片付けてくる」
「お前、今何て呼ぼうとした?」
「…気にするな。終わったら呼ぶ」
「…わかった」
フラグ女が頷くと、俺は洞窟の中へと入っていく。
俺は〔夜目〕と〔サイレンス〕を使い、暗闇でも見えるようにすると同時に、足音を消す。
これでいいだろう。
俺は洞窟の中を慎重に進んでいく。
特に、角は慎重に進もう。
洞窟を1人歩いていると、あることに気付く。
フラグ女に、さっき使ったのと同じ魔法を使ったら良かったのでは?
…いや、これも訓練と前向きに考えるとしよう。
正直楽をしたいが、いつまでも楽が出来るわけじゃないだろうし、今のうちに経験しておくのは悪いことじゃないはずだ。
しかし、また俺は気分が高揚するのだろうか。
病気か、俺は。
…こんなことを今考えても仕方ないか。
今は、さっさと山賊を片付けることに集中しよう。
角を2つ曲がると、松明の灯りが見えてきた。
同時に、声が大きくなってくる。
「ボスはどこに行ったんだ」
「お楽しみ中だろ。どうしても、ボスのアレだけは理解出来ねぇがな」
「同感だな」
椅子に座って男2人が、何かを話している。
お楽
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