第5話 復讐に燃える男、俺の名を言ってみろ!
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巨大な氷の塊に抱き付き、体を覆っていた炎の熱で氷を溶かし始める。如何に巨大な氷と言えどもシュレンの纏った炎の前では流石に耐えられないのか徐々に溶け始め出す。
「良いぞぉ、暑苦しい兄ちゃん!! そのまま溶かしちゃえぇ!!」
「でも、あのひと大丈夫なのかなぁ?」
シュレンの命懸けの溶解作業を遠目から見つめるチルノと大妖精。流石に近場に居ると熱いので少し離れて見ていたのだ。まぁ、大妖精はともかくとして氷の妖精であるチルノが近くに居たらそれこそ氷と一緒に溶けてなくなってしまう危険性もあるので止む無しと言った所なのだろうが。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉ! この炎のシュレン。例え命を落とす事となっても、この氷を溶かし切ってみせようぞ・・・づぉぉぉりゃぁぁぁぁぁ―――!!!」
怒号ととるべきか、それとも断末魔ととるべきか?
とにもかくにもシュレンの叫びと共に炎の勢いは更に強く大きくなり、遂には巨大な氷を飲み込み、紅蓮の炎が湖を赤々と照らしていく。
その巨大な炎の中心で、シュレンと思わしき黒い物体は微動だにせずその場に立ち尽くしていた。
「燃えている……あの暑苦しい兄ちゃんの魂が、肉体が燃えているんだ!!!」
「ねぇ……これで溶かせるんだったらさぁ……別にあの人に頼る必要なかったんじゃないかなぁ?」
「大ちゃん……目を背けちゃ駄目だよ!! あの暑苦しい兄ちゃんの最期の生き様を、私たちのこの目に焼き付けておくんだよ!!」
「でもさぁ、その原因を作ったのって私たちだよねぇ?」
本来ならば感動の名シーンの筈なのに、今回に限ってギャグ展開にスイッチしてしまった件について。原作並びに炎のシュレンファンの人達には深くお詫び申し上げます。
でも、だからと言ってこれからも好きかってやっていくのであしからず。
そんな訳で、シュレンの捨て身の溶解作業をチルノは何故か滝の様に涙を流して見つめており、その隣で大妖精はどうしたら良いのだろうかと迷っているような表情を浮かべながらその場を動けずに居た。
炎の中で、氷はみるみる小さくなっていく。が、それに比例して炎もまた、徐々にその勢いをなくし始めていた。
「あっちぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」
そんな時だった。突如紅蓮の炎の中から天空に向かい何かが飛び上がったのだ。奇声を上げながら飛び上がったそれは、一直線に湖の中へと飛び込んでいき、小さな煙をその場に残し沈んでいった。
「やったぁ! 氷の中に居た変な奴を取りだせた! やっぱあたい達は最強だよねぇ!!!」
「チルノちゃん。私たち何もしてないよ。って言うか、さっきまでの空気はどうしたの?」
突然元のバカキャラに戻ったチルノの対応に困る大妖精。まぁ、そんなのこの幻想郷では日常茶飯事なのだろう。放っておくことにする
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