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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第十三話 ファーストアラート 3
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はともあれ、無事停止した事に安心したアスカがリインに声を掛ける。

だが、返事がない。

「……曹長、曹長?リイン曹長!?」

自分に胸でグッタリしているリインを見て焦るアスカ。

「な、何でもないです……大丈夫です……」

か細い声でリインが答える。それに安心するアスカだったが……

「え?」

ボロボロと大粒の涙を流しているリインを見て言葉を詰まらせる。

「な、何でもないですよ!いまクローズプログラムを流しますから!」

アスカに背を向けたリインは、制御装置を落とし始めた。強制的に装置を落とすクローズプログラムを走らせる。

その間にも、しゃくりあげる声がする。

「……リイン曹長」

「だから何でもないって!あ……」

アスカは、リインを今度は優しく抱き寄せた。

「オレは何も見てないし、何も聞いてません。だから、スッキリしちゃてください」

抱き寄せたリインの頭を撫でるアスカ。

「な……何を言ってるですか…リイン…は、上司……さん…です…よ…」

強がっては見たものの、だんだんリインの声が震えてくる。

「ヒッ…クッ………うぇぇぇぇん!怖かったですよぉ!」

それまで我慢していたのか、一度安心してしまったら、もう涙を止める事ができなくなってしまった。

アスカはそのリインをしっかりと受け止めた。

『隊長、こちらライトニング5。リニアレールの停止に成功しました。現在リイン曹長がクローズプログラムで管制システムを黙らせています。念の為、こちらの作業が終了するまで誰も近づけないでください』

念話でなのはに報告するアスカ。これで人は来ないはず。

リインが落ち着くまで、アスカはこのままにさせてやる事にした。





ひとしきり泣いたあと、リインは照れくさそうにアスカから離れた。

「落ち着きましたか?」

アスカはラピッドガーディアンを耳に戻しながら尋ねた。

「えっと、その、この事は……」

モジモジとするリイン。

「オレは何も見てないし聞いてません。曹長はクローズプログラムを走らせてたでけです。でしょ?」

ニパッと笑うアスカ。

「は、はいです!」

ようやく、リインにいつもの笑顔が戻った。





薄暗い、だが極端に広い部屋に一人の男がいた。

白衣を着たその男は、目の前のモニターを見ている。

モニターには、アスカとリインによって停止させられたリニアレールが映し出されていた。

広域次元犯罪者、ジェイル・スカリエッティ。

彼は楽しそうにモニターを眺めている。

「刻印No.9、護送体勢に入りました」

別のモニターが開き、紫色の髪をした女性が報告をする。


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