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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第十三話 ファーストアラート 3
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から外してリインに差し出す。

一瞬、何かを言おうとしたリインだったが、結局なにも言わずにラピッドガーディアンを端末に接続する。

言い争いをしているより場合ではないと判断したのだ。

「急ぐです……急ぐですよ……」

リインの焦りが伝わってくる。アスカは静かに作業を見守っていた。

「これでよし。ラピッドガーディアン、一緒にプログラムの防護壁を突破するですよ!」

《了解しました》

リインとラピッドガーディアンが端末の向こうでプログラムの戦いを繰り広げる。だが、

「何で、何でダメですか!」

リインが泣きそうな震える声を上げる。

「こっちのアタックが全部ブロックされてしまうです!何で!」

それでも手を止めずに作業を進めるリイン。

「ラピ、どうなんだ?」

《凶悪の一言です。複数のプログラムの時間差攻撃でこちらに反撃の隙を与えてくれません》

ラピッドガーディアンの答えを聞いたアスカは素早く考える。

(よく分かんないけど、つまりソフトで太刀打ちできないって事か。なら、列車特有の構造を使えば、あるいは!)

アスカは運転席を見回した。そして、目的の物を捜し当てた。

「曹長、離れて!」「え?きゃっ!」

アスカはリインを強引にどけると、運転席のパネルの端にあるガラスの蓋を拳で叩き割った。

「ア、アスカ!?何を?」

「これは緊急停止用の機械式ブレーキです。列車にはいざと言うときの為に手動ブレーキが備わってるんですよ」

叩き割ったガラスの向こうにレバーがあるのが見える。

「結構衝撃があるかもしれません。リイン曹長、掴まってってください」

「は、はい!」

アスカは、ラピッドガーディアンを抱きしめたリインを引き寄せる。

「止まれよ!」

一気にレバーを引くアスカ。

固い。だが、その固さがブレーキであると実感させてくれる。

「うわっ!」「きゃあ!」

急制動が掛かり、リニアレールのスピードが落ちていく。それと同時に、車内が大きく揺れる。

しっかりと踏ん張っていたアスカだったが、バランスを失って壁に何度も叩きつけられてしまう。

それでも抱き寄せたリインはしっかりと守っていた。

凄まじいブレーキ音が響きわたる。それもすぐに収まり、あれほど揺れていた車内が静かになる。

「と、止まった?」

床にうずくまっていたアスカが起きあがって、運転席の窓から外を見た。

鉄橋まで、あと100メートルくらいだろうか。ギリギリだった。

「あ…危ねぇ〜」

もう少しで鉄橋を吹き飛ばさなくてはいけない所であった。

ヒヤリと冷たい汗がアスカの額を伝う。

「リイン曹長。お怪我はありませんか?」


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