火砲・ミサイル解説解説(日本編)その2
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整地)
エンジン:三菱10ZF22WT
空冷2ストロークV型10気筒ターボチャージド・ディーゼル
航続距離:400km
87式自走高射機関砲は、陸上自衛隊が装備する自走式対空砲である。アメリカ軍から陸上自衛隊に有償供与されていたM15A1対空自走砲とM42ダスター対空自走砲の後継として開発された国産の自走式対空火器で、防衛省では広報向け愛称を「スカイシューター」としているが、
部隊では「ガンタンク」や、敵航空機を蝿に見立てて、それを撃墜するという意味で「ハエ叩き」とも呼ばれる。
アメリカはソ連を中心とする共産主義陣営に対抗するため1950年代に「MAP」(軍事支援プログラム)を策定し、このプログラムに基づいて余剰となったアメリカ軍の各種装備品を西側友好国に積極的に供与することで軍事力の支援を図った。MAPに基づいて陸上自衛隊にはM15A1対空自走砲が98両、M16対空自走砲が168両、
M19A1対空自走砲が約40両供与された。
世界的に有名な火器メーカーであるスイスのエリコン・コントラヴェス社は、
1950年代末に「GDF-001」と呼ばれる牽引式の35mm連装高射機関砲システムを開発し、これは約30カ国の軍隊で採用されるベストセラーとなった。GDF-001は威力と発射速度に優れる90口径35mm高射機関砲KDAを「ズーパーフレーダーマウス」(ドイツ語で蝙蝠を表す)と呼ばれるレーダーFCS(射撃統制システム)とリンクさせており、当時としては非常に高度な対空迎撃能力を備えたシステムであった。
陸上自衛隊は1967年に師団高射特科向けの対空火器システムとしてGDF-001の改良型を「35mm二連装高射機関砲 L-90」の名称で採用することを決め、1969〜70年度に4セットがノックダウン生産された後1971年度からライセンス生産が開始された。L-90のライセンス生産は1981年度まで続けられ、旧式化したM16対空自走砲に代えて高射特科部隊に配備された。
L-90は4輪のゴムタイアを備える砲架に搭載された二連装の35mm高射機関砲KDA、
ズーパーフレーダーマウスFCS搭載車、
光学照準システム搭載車、およびこれらに電源を供給する電源車3両で構成される大掛かりなシステムで、35mm高射機関砲の射撃時には砲架の左右に装備されているアウトリガーを展開し、タイアを折り畳んで砲架を接地させるようになっていた。
ズーパーフレーダーマウスFCSはパルス・ドップラー方式の捜索レーダーと追尾レーダーを装備しており、捜索範囲と追尾範囲はいずれも15kmとなっていた。L-90は当時としては高度な対空火器システムであったがトラックによる牽引式であるため機動性に難があり、システムの展開にも時間が掛かる上
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