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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(碧篇)
第100話(4章終了)
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「……こちらにメンフィル大使リウイ・マーシルンの側室の一人、セシル・ノイエスが働いていると聞きましたので。彼女を”保護”する為にこうして探させてもらっています。」

「なっ!?セシルが!?」

ソーニャの話を聞いたマーサ師長は驚き

「セ、セシルさんがあの”覇王”の側室の一人!?」

「は、初耳だわ……!」

「というかセシルさん、いつ結婚したのかしら!?」

話を聞いていた看護婦達は驚いたり信じられない表情をしていた。

「………例えセシルが”覇王”の側室の一人だというのが本当の事だとしても、セシルの事をどうするつもりだい!?まさかメンフィル帝国に対しての人質とする気かい!?」

その時マーサ師長は怒りの表情でソーニャを睨みつけ

「……………”保護”をするだけで、決してセシルさんに危害を及ぼすつもりはありません。」

睨みつけられたソーニャは複雑そうな表情で答えた。

「フン!それなら残念だったね!セシルなら数日前―――ディーター大統領の初任演説の日から朝早くに街に出た時を境に行方不明さ!しかもあの娘が借りている寮の部屋から着替えや荷物がある程度なくなっていたから、大方身の危険を察してクロスベルから離れたんだろうね!」

ソーニャの言葉を聞いたマーサ師長は鼻を鳴らした後ソーニャを睨んだ。

「なっ………!?」

マーサ師長の言葉を聞いたソーニャが驚いたその時

「司令!空港を調べた所、大変な事がわかりました!」

国防軍の兵士が慌てた様子でソーニャに近づいてきた。

「……まさか既にセシルさんがクロスベルから離れていたの?」

「ハッ!どうやら大統領の初任演説の日にメンフィル帝国の紋章が刻み込まれているメイド服を身に纏った女性と共に空港にいた目撃情報があり、リベールに向かう飛行船の乗船記録にもセシル・ノイエスの名前がありました!」

「そう……………相手の方が上手(うわて)だったみたいね……………」

兵士の答えを聞いたソーニャは疲れた表情で呟き

「セシルの事がわかったならさっさと兵士達を連れて出て行きな!!」

「…………………ご迷惑をおかけして、大変申し訳ありませんでした。」

マーサ師長に睨まれたソーニャは頭を深く下げた後去ろうとしたが

「………あんた達が何を考えているか知らないけど、こんな事、絶対に長続きしないよ。その内姿を消した”六銃士”達や今の所は黙っているメンフィル帝国によってあんた達が滅ぼされるのがオチだろうね!」

「…………………………………」

マーサ師長の言葉を聞いて立ち止まって複雑そうな表情で黙り込んだ後、去って行った。



――――ゼムリア歴1214年――――



〜クロスベル帝国・帝都クロス
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