機動戦艦ナデシコ
1416話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「きゃああああああああっ!」
「ユキナ!」
影のゲートから俺達が姿を現した時、白鳥とユキナの2人はそんな悲鳴を上げながら影から抜け出る。
……まぁ、白鳥はともかく、ユキナは影槍が触手かロープの如く胴体に巻き付いて強制的に引っ張ってこられたからな。
こんな風に騒いでもおかしくはない。
だが、それは騒いでいる理由を知っている俺だからこそな訳で……影のゲートの転移先、コンテナの中では当然その悲鳴に反応する者も多い。
「何奴!」
そう告げ、素早く桜咲が持っていた野太刀を引き抜き、その刃を俺の方へと向け……
「え?」
刃の先にいたのが俺だと知ると、慌てて構えを解く。
「ちょっとアクセル! あんた、いきなり転移してくるのは止めなさいよ!」
桜咲に続いてそう言ったのは、こちらも反射的な動きでアーティファクトのハリセンを取り出していた神楽坂。
エリナの方は何が起きたのか理解出来ずに固まっており、最後の1人のヤマダは俺達に気が付いた様子もなくコンテナの中に設置されているTVでゲキガンガーを見ていた。
「アクセル代表これは……うん? なっ!? あ、あれはもしかして幻の!」
白鳥が俺に何かを言おうとしたのだが、その前にヤマダが見ていたゲキガンガーに視線を向けると、慌てたようにその隣に座る。
……幻? 映像データの類はクリムゾングループとかから提供されているものだとばかり思ってたんだが、この様子を見る限りだと違うのか?
聖典とか呼ばれているくらいなんだから、当然その聖典の欠けている部分は最優先で入手するものだとばかり思ってたんだが……
「くーっ! やっぱりこのシーンはいい! なぁ、お前もそう思わないか!?」
「ああ。幻と言われたこの回を見る事が出来るとは……」
そしてゲキガン好き同士と言うべきか、ヤマダと白鳥は殆ど言葉も交わさぬ状態で仲良くなっていた。
いやまぁ、それは悪い事じゃない。寧ろヤマダと会わせようとしていた俺としては、何もせずに仲良くなってくれたのだから大歓迎だ。だが……
「ガーン! え? え? あれ? ちょっと、ここどこ? 私さっきまで家にいたのに……えええええええ! 何よこれ、何なのよ!」
うん。ユキナを置いてけぼりにしてさえなければ、だが。
エリナと神楽坂からはどうにかしろといった視線を向けられ、桜咲は困惑しつつもここが敵地だというのを忘れていないのか近衛の側から離れず、そして近衛は何かを少し考えると、立ち上がってそのままユキナへと近づいていく。
「ちょっ、お嬢様!?」
「あはは。大丈夫やて。えっと、お嬢ちゃんは何て名前なのかなー?」
「……ユキナ。白鳥ユキナ」
「そっかー、白鳥ユキナちゃんかー。うん。私は近衛木乃香言うんや。よ
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ