Episode3
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だよ!そのためなら誰だって殺すさ。生きるってことは他の誰かの命を奪うってことだ。前にお前が言ってたろ。なぁ。相棒?』
『相棒って言うな。たしかにな。人間は鶏や豚、牛の命を奪ってその肉を食って生きてる。それを考えれば、お前の言ってることは正しい。』
『だろう。』
フリードが人間の姿なら今頃勝ち誇った笑みを浮かべてるんだろう。
確かにアマゾンは人間の肉に含まれるたんぱく質を好み、本能のままに人を喰らう。
食物連鎖、弱肉強食とでもいえば、それまでかもな。
だが、それでも―――
『それでも俺は、アマゾンを狩る。それが俺のルールだ。』
『はぁ?何開き直ってんだよ、相棒。』
『グルァァアア!』
俺は空に向かって雄たけびを上げると左手で俺の脇腹を貫いているフリードの右腕を掴んだ。
『!』
それに驚いたフリードは慌てて右腕を引き抜こうとするが、俺の左手で掴まれており、引き抜けなかった。
そして俺はフリードに掴まれた右手を強引に動かし、
ザシャァッ!
ヒレのようなアームカッターでフリードの右手首を切り裂き、フリードの右手を切り落とした。
SIDEOUT
『フリード。たしかに生きるっていうのは、他の誰かの命を食らうってことだ。直接だろうと、間接だろうとな。』
フリードは手を失った右腕を庇い仁を見つめながら人間の姿に戻った。
それと同時に仁も変身を解いた。
「それはアマゾンも人間も変わらない。だが、俺は人間とアマゾンとで線引きをしてる。人間は守り、アマゾンは狩る。矛盾してるのは分かってるさ。だが、あの夜に俺はそう誓ったんだ。」
「ハハハ!自分でもわかってんじゃん!矛盾してるってよ!」
「ああ。分かってるさ。」
「人間守って、アマゾン狩るかぁ。でも、その割に甘いよなぁ。さっき躊躇ってなきゃ俺ぁ死んでた。なのにお前は躊躇ってそのザマだ。」
「まぁな。だが、お前だって十分甘い。」
「何?」
「お前は俺の不意を突いた。あの時、俺は完全に油断してた。心臓を狙えば一発でお陀仏だったはずだ。だが、お前は俺の脇腹を貫いた。」
「・・・・・・。」
「お前だって矛盾してる。生きるために殺すと言っておいて、躊躇ってそのザマだろう。」
「ハハハ!ハハハハハハ!......お互いさまってことか。なぁジン。」
「フッ!だな。だが、そういうところが人間らしいってことだろ。」
「そうかもな。俺にもまだ人間の心ってのが残ってるのかもな。」
「今日だけは見逃してやる。もう一度生きるってことをよく考えることだ。」
「なんか気分がいいなぁ。当分人を殺さなくても、アマゾンの本能を抑えられそうだ。またな。」
そういうと、フリードは再びコウモリアマゾンへと姿を変えて結界を破り、飛び去って行った。
ヒュッ!
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