―時計塔の戦慄―
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今のデュエル・アカデミアのおかしさへの答えを得るためにも、十代のようにカードが見えなくならないためにも……
……そして、デュエルスタジアムに響く足音が、俺の対戦相手の来訪を告げた。
「……エド」
「黒崎遊矢……お仲間と一緒に仲良しごっこか? お前らしいな」
ひさびさに会うなりいきなり嫌味を言われたが、いちいち構っておくこともなし、放っておく。
代わりにデュエルディスクを構え、明日香と三沢のところからデュエル場の中央に向かって歩いた。
「ふん……」
エドも俺の行動を受けて、デュエル場の入り口から俺の位置に対応するところまで移動する。
「シニョール遊矢、シニョールエド。二人とも準備はいいノーネ?」
代表決定戦や学園対抗戦の時と同じように、ジャッジを行うのはクロノス教……じゃなく、クロノス校長代理。
とは言っても、ジャッジとは名ばかりの始まりを告げるだけの役目ではあるが。
「ああ」
特に気負いもせずに、エドはクロノス校長代理の言葉に気楽に答えた。
……こういうところは流石はプロ、と言ったところか。
「いつでも」
自分もクロノス校長代理の質問に答え、勝てるのか、なんてことは考えても無意味な領域に達する。
後はデッキの《機械戦士》を信じるだけ……大丈夫だ、亮だって三幻魔だって、俺たちは打ち破ってきた……!
「デュエル開始なノーネ!」
クロノス校長代理の宣言と共に、デュエルを行う俺たちも気合いを入れる。
そして、告げる。
『デュエ「ちょっと待ったーーッ!」
俺たちのデュエルの宣言に被さって、やたら大きな声がデュエル場へ響く。
俺たちが状況を理解する前に、再び声の主は自分の用件を告げた。
「そのデュエルちょっと待った! エドとデュエルするなら、俺にやらせてくれ!」
その不必要に騒がしい、もはや懐かしいと言って良い声は……
俺は声の主の正体に当たりをつけ、声がした入り口の方へ身体を向けた。
「……十代!」
「おお、遊矢!」
エドに敗れてカードが見えなくなり、このデュエル・アカデミアを去ることになってしまった友人、遊城十代。
その元気いっぱいな姿から、カードが見えなくなることから回復したのだと分かる。
「どうなってるかは良くわかんねぇけど、エドとデュエルするなら代わってくれ遊矢!」
十代にとっては、エドに対してのリベンジマッチ。
デュエルしたい気持ちは分からなくもないが、このデュエルは俺にだって譲れない。
「いいや、悪いけど譲れないぜ十代」
エドがテレビでデュエルを挑んできたのは俺であるし……それに十代がエドに負けた場合、またカードが見えなくなってしまう可能性もあるのだから。
「シ
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