精神の奥底
59 不機嫌な空
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の方を見ると、ルナの腕を掴む何者かの存在が視界に入った。
スーツ姿に大柄な男、もうどうしようもない恐怖が背筋に襲い掛かったルナとミソラは身動きを封じられた。
しかしそんな中、スバルは反射的にその大男に挑み掛かる。
「このォォ!!」
ルナを掴む腕に飛び掛かり、ルナを開放する。
しかし安心するまもなく、男の標的はスバルへと変わっていた。
男はその巨体から放つ力で腕を抑えるスバルを投げ飛ばす。
「?っ!!」
「スバルくん!?」
「うおぉぉ!!!」
スバルは痛みを堪え、すぐに立ち上がり男に襲い掛かった。
男は向かってくるスバルを再び弾き返すべく、拳を前に突き出す。
しかしスバルは寸前で体勢を前かがみみして、交わすと胴回りに飛び掛かった。
男に比べ小柄で力も弱いスバルだったが、助走の勢いと太ももを掴みバランスを崩し、全体重を掛けて押し込んだ。
「うっ!!!」
思わずルナとミソラは目を逸らした。
スバルと男は激しい音とともに「図書室」と書かれたプレートの木製の扉に突っ込んでいった。
扉は蝶番ごと破壊され、本と笑顔の子供たちが描かれた美しいステンドガラスは無残にも砕け散る。
「…ハァ…どうして子供っていうのは、ダメって言われることを好奇心でやってしまうのか…」
「!?」
扉をぶち破って床に倒れ込んだ際に男は打ちどころが悪かったのか、気を失っている。
しかし安心するどころか、更に恐ろしいもの世界が3人に襲い掛かった。
そこは広く開放的な図書室だった。
電子書籍が普及した現代でも変わることのない細かくソートされた本棚と紙の匂いの広がる知的で落ち着いた雰囲気の漂う空間。
だが今は同時に殺気が漂っていた。
黒いスーツに黒に近いくらい濃い紫のネクタイをした男たちが一斉にこちらを向く。
「…スバルくん」
「何なの…」
蛇に睨まれた蛙としか言い様のない状態に置かれた3人は永遠にも思える10秒を過ごす。
そして互いに状況を把握した瞬間、黒いスーツの集団の中で1人、上のテラスから見下ろしている男は眼鏡のヒンジを触ると、膠着状態を打破した。
「お前は…スターダスト……いや、違ったか」
安食だ。
落ち着いた雰囲気を纏いながらも、突き刺さるような恐怖を放ちながら、3人を圧倒する。
しかし何も喋らない10秒の間の方が3人にとっては恐ろしく、安食が口を開いたことが不思議と3人には安心を与えていた。
「誰なんですか?あなたたちは!?」
「…ほう…驚いた。電波体を連れているのか」
『!?私たちが見えてる…あの眼鏡、ビジライザー?』
眼鏡のヒンジがスイッチになっていた。
すなわち安食にはウォーロックとハープの姿が筒抜けになっているということだ。
スバルの当たって欲しくな
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