精神の奥底
59 不機嫌な空
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…スバルくん、行くの?」
「…うん」
「ルナちゃんはここで待ってて。私とスバルくんで、中を確認してくるから」
「ちょっ!?あなたたち2人だけで行くの?」
「ウォーロックとハープも付いてる。15分で戻るから。もし戻らなかったら、悪いけど天地さんに連絡してくれる?」
「私も行く!」
「えっ、でもスバルくんの読みが正しいなら、危ないかも……」
「私は信用してない!スバルくんの読みもただの考え過ぎの妄想だと思ってるし、あなたのことも、ハープとウォーロックっていう宇宙人も完全に信用したわけじゃないわ!」
『えっ、オレたち!?』
「響さん、それにハープ。あなたたち、変身して自分のマネージャーに襲い掛かったらしいじゃないの!」
「ゲッ…それは……」
「それにウォーロック!そもそもあなたがスバルくんをこんな危険なことに巻き込んだんでしょうが!」
『何だと!?』
『反論できないわねぇ。どっちも事実だし』
偶然、通りかかった老夫婦からはその光景は不思議に写った。
1人の少年を少女2人が取り合っているように見えるのだが、話の流れとして3人しかいないはずなのに、更にもう2人いるようなおかしな感覚を覚えていた。
「ん?でも、待って。私と、ウォーロックと、ハープを信用してないなら、スバルくんのことは信用してるんだ」
「べっ、別にそういうわけじゃないけど……」
「僕、信用されてなかったんだ……」
「そういうことでもないけど…」
「ルナちゃん、もしかしてスバルくんのことが心配なの?」
「……もう!知らない!!」
「分かったよ。委員長も連れて行く。これでいいよね、みんな」
スバルが折れた。
素直に言ってしまえば、確証など無いし、自分の妄想だと言われれば、反論もできない。
むしろそちらの可能性の方が高い。
それに思い過ごしであるならば、それに越したことはないのだ。
ご機嫌斜めのルナをなだめながら、門をくぐる。
「凄いねぇ。何だか神秘的っていうか……」
「コダマタウンにも似たような光景はよく見てる気はするのに、やっぱり大都会にもこういう場所があるんだって思うと不思議」
「水と植物っていうのが、癒されるよね」
『それに関しては、宇宙人のオレでも納得だ』
図書館の玄関部までのほんの数十メートルの小道を歩きながら、周囲を見渡す。
木々が生い茂り、小川と噴水が来る者に癒やしを与えてくれる。
森林浴やマイナスイオンのように、実際に効果があるのかどうかはよく分からないが、不思議と心が安らぐのだ。
「…人影?」
「え?」
締め切られた玄関のガラスをこっそりと除いたスバルが不審な人影を目撃した。
3人は隠れるように玄関のドアに身を隠す。
その時、ウォーロックとハープも同時に異変に気づいた。
『おい、ス
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