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流星のロックマン STARDUST BEGINS
精神の奥底
59 不機嫌な空
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同じ空の下の空気を吸っていた。
相変わらず、暑い。
10月31日というもう冬も間近のシーズンでありながら、あまりの暑さに太陽は地球が嫌いなのではないかと思ってしまう。
いや正確には嫌いなのは、地球ではなく地球人の方なのかもしれない。
自分勝手に自然を伐採し、大気を汚染し続ける人類を抱える地球に対し、同じ宇宙を漂う仲間である太陽が人類を戒めようとしているようだ。
どちらにせよ、もし空模様に機嫌があるのだとしたら、間違いなく上機嫌ではなく、不機嫌だろう。
だがそんな不機嫌な空の下でも、スバル一行は文句が自然と出てくることはなく、むしろ安堵の声を上げた。

「……ふぅ…やっと地上の空気が吸えた」
「やっぱり地下の空気ってデンサンシティのような都会でも、やっぱり好きになれないよね」
「息が詰まるわ……」
「なんか地下鉄がやってくる度に不思議な生温かい風が吹いてくるし」
『地球人ってのは、便利なものをいくら作っても文句を垂れるよな』

白金ルナが手に入れてきた手がかりを元にメトロを乗り継いでここまでやってきた。
周囲を見渡せば、先程の湾岸病院のように海も見えない上、大都会の高層ビル街という感じでもなくなっていた。
閑静で西洋風な建物が並ぶ、トラディショナルな街並みが広がっている。

「デンサンシティにもこんなところがあるなんて……ビルやショッピングモールばかりだと思ってた」
「そうでもないわよ。デンサンシティに限った話じゃないけど、海際の都市は港が栄えて、海外との交流が盛んだったりした時代もあったんでしょう。だから異国情緒溢れる部分が残っていたりすることも多いわ」
「さすがはルナちゃん、みんなの委員長さん!」
「…なんかあなたに言われると、褒められてるのか、貶されてるのか分からないのよね……」
「えっ、そんなことないよ!褒めてるよ!」
『なぁ、スバル』
「どうかした?」
『今の話、宇宙で例えるとどういうことだ?』
「宇宙で…?うぅぅ…宇宙が海で、宇宙船が貿易船に例えると、宇宙船が停まる星はいろんな文化や物が入ってきて…影響を受けるっていう感じかな……」
『オレたちは宇宙船なんぞ使わないぞ。まぁ、使う連中もいなくはないが。前々から思ってたが、お前ら地球人が宇宙人に持ってるイメージはいろいろズレてるぞ?』
「例えてみせろって言ったの、ウォーロックの方なのに……まぁ、僕を含め、この星の人たちは宇宙人との交流は一般的じゃないからね。価値観が違うのは仕方ないさ」
『お前の場合はいるじゃねぇか、宇宙人が目の前に』
『だから…私たちみたいな宇宙人がいるっていう状況がこの星の人たちからしたら、異常事態なのよ。宇宙人との交流が当たり前っていう教育をそもそも受けてないもの、スバルくんたちは』
『チッ…お前に言われると諭されてる
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