ヘルズインフェルノ
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マキナの言葉にフェイトは更に驚愕した。まさかと思いながらドーラの方に視線を向けると、彼は実に愉しそうな表情で笑っており、彼女の言葉を一切否定しなかった。いくら気に入らなくても自分達の上司がイモータルであったという事実に、フェイトは抑えきれない動揺を見せていた。
「ドーラ司令官がイモータルって……マキナ、それはどういうこと!?」
「そのままの意味さ。この前潜入した時にわかった事だけど、ロキがアレクトロ社の社長だったのと似た感じで、“裏”と手を組んでいたヴァランシアは管理局の立場を隠れ蓑として使い、次元世界中でこれまで多くの活動を行っていた。その内容はあまりに多岐に渡るから全部説明するのは無理だけど、とりあえず今知っておくべきなのは、フェイト達の上司がヴァランシアの一人であり、恐らくこの事件の真犯人ってところか」
「真犯人!? そんな……じゃあ私達はフェンサリルに来た時点から騙されていたというの……!?」
「彼女の言葉に付け加えるなら、そいつをスカルズの実験体にしたのも私だ。役目を終えて消える姿を身内に見られないために転移したらしいが、出た場所がちょうど我々の目の前だったのが運の尽きだな」
「契約を終えたら死ぬのが使い魔の宿命とはいえ、ようやく安息を得ようとした矢先にイモータルに拾われるとは……大凶よりヤバい暗黒大魔凶レベルの運の悪さだ。尤も、個人的には使い魔契約もアンデッド化と似た所業に感じられるけどね」
「相手が獣か人か、契約後の自由意識の有無などの違いはあるがな。ついでに言っておくならノアトゥンで起きていた連続殺人事件の真相は、私が魔導師のふりをするために魔力持ちの人間をボウガンで殺して吸血していたからだ。それで殺した者の死体は吸血の隠蔽も兼ねて、そいつに処理させていた。尤も、今回は貴様達の張った罠に何故かそいつが引っかかったのが原因で私が直々に様子を見に来る羽目になったのだが、考えてみればむしろ好都合だった」
「(処理って……遺体が食い千切られたような惨状になっていたのはそのせいなのか!? じゃ、じゃあ……こいつは死体を、た、食べ――――うぇっぷ!!)」
衝撃の事実を聞いたアギトがその光景をつい想像し、たまらず吐き出そうとした直前にマキナはユニゾンを解除、全部吐き出させてから再びユニゾンした。ある意味で緊急回避をしたマキナ達の隣で、フェイトは怒りで握り拳を震わせていた。
「リニスをこうしたのも、この連続殺人事件を引き起こしたのも全部……全部司令官の仕業だった? 私達を騙すために何の罪もない人達を殺し……優しかったリニスに非道な事をさせて……!! ふざけるな……ふざけるな、ふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるなふざけるな!!!!! ふざけるなぁぁああああああ
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