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リリなのinボクらの太陽サーガ
ヘルズインフェルノ
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ないアンデッド・リニスの姿をもう一度視野に入れ、「それでも……」と呟く。

「私がこうする前にマキナなりに努力してきたのはわかった……でも、それでも嫌だ。やっぱり私は、諦めたくない……!」

「それでエゴを通し、必要のない苦痛を味あわせるのか? 大体さ、こいつが望む救いは今の自分を終わらせてくれることじゃないの? アンデッドから元に戻してもらうのでもなく、これ以上罪や暗黒物質の苦痛などに苛まれなくなる死の終焉を待っている。次元世界ではジャンゴさんを除いて唯一太陽の力を持っている人間で、何よりこいつの家族なんだから、本当ならフェイトが浄化をするべきだ。太陽の力を持つ者として、あんたはそうする責任がある」

「責任? 大事な家族を倒すことが責任!? アンデッド化したら家族だろうと問答無用で浄化しなければならないのが私の責任なの!? そんなの理不尽だよ……私はただ皆で幸せに暮らしたいだけなのに、どうして運命は私と家族を戦わせようとするの!?」

フェイトの脳裏にはP・T事件での母との戦いや、ニダヴェリール崩壊直後での管理局のサバタ指名手配の件、ファーヴニル事変で変異体となっていた同族との戦い、そしてフェンサリルで生き残っていた同族のビーティーとの戦いが走馬灯のように鮮明に浮かび上がっていた。サバタとの別れやなのはの撃墜の件もあり、フェイトは親しい者や近しい者を失う事を極端に恐れてしまっていた。

「今ここでリニスを浄化したとしても、その先の人生は何も出来なかった事をずっと後悔し続ける。ならば間違っててもいい、非難されたっていい、限界まで意思を通してからの方がはるかにマシだ!」

「独善的なその思想は私にも似た所があるから全部は否定しない。けど同意もしない。ノアトゥンで起きていた連続殺人事件を止めるために、事件の犯人を確保するために私達はここに来た。そしてアンデッドを見つけたからには、これ以上犠牲者や吸血変異が広がる前に葬るのが私達の役目だし、何よりこの街の人のためでもある。そもそもあんたはリスべスに任せてと断言したはず……あの言葉は嘘だったの?」

「嘘じゃない! それに、犠牲が出る前にリニスを治せば誰にも文句は……!」

「もう犠牲が出てるから、こうして私達が出張ってるんだよ。それに治せる可能性も無い。何度も言ってるが、こいつを見逃す訳にはいかない。経験者から聞いた話だけど、アンデッド化するのはものすごく苦しい事なんだ。その身に宿ったダークマターが浄化されない限り、永遠に苦しみが続く。だからこそ一刻も早く楽にしてあげるべきだ」

「回復の見込みがない重病人の家族に対する安楽死宣告みたいに言わないで! 私にはお兄ちゃんやジャンゴさんのような覚悟は無い、私はあの二人ほど心が強くない。だから大切な人がいなくなるのはもう嫌なんだ! 手
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