ヘルズインフェルノ
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G1形態で受け止める。
「相談相手はしないって言ったのに……何でこうなるのやら。面倒だけど腹くくるか……さてフェイト、この現実をどう思う……?」
「ど、どうって……」
「辛い、苦しい、嫌だ、逃げたい、認めたくない……こういう呪詛の言葉がいくらでも湧いてきて、感情をどう整理すればいいかわからず手を付けられない。そんな気分なんでしょ」
「……!」
口に出して返答はしないものの、合っている事を認めるようにフェイトは唇をかみしめる。そうやって彼女に言葉を投げかけながらマキナは後ろに反り返ってクローを回避し、覆い被さるように噛みついてきたリニスの牙をスタンナイフで防御、ギリギリの状態で押しとどめる。
「そういやさ、昔どこかのトゲトゲ執務官がなんか言ってたね。え〜っと……う〜ん……あ、アレ? そういや何を言ってたんだっけ、アギト?」
「(こらこら、アタシに訊くなよ!? 自分で話題に出しておいて内容を忘れてるとか、色んな意味で駄目だろ。つぅか、興味ない奴の言葉はうろ覚えなんだな、姉御)」
「実際、サバタ様以外の男には興味がないからね……。あ〜そうそう、アレだアレだ。確か……この世界はこんなはずじゃない事ばかりだ〜とか。ま、今になって思えばかなり的を射た発言だ。確かにこの世にはこんなはずじゃない事が溢れかえってる。誰かの意思であろうと、全くの偶然であろうと関係なくね。私だってニダヴェリールの崩壊とか、闇の書の関係者とか、サバタ様との死別とか……望んでもいない出来事や経験を味わってきた。それはフェイトだってわかってるよね?」
「……うん」
フェイトの微かな返事を隣に、マキナは一瞬だけ力を緩めて隙をさらしたリニスをCQCで掴み、背負い投げてマンションの壁にぶつける。しかしエナジー無しの攻撃である以上、大したダメージにはならず、すぐに立ち上がろうとしていた。
「誰だって辛くなる出来事は嫌だし、起きない方が良いに決まってる。だから私達はそれを止めようとしてきた。立場、方法とかは悲劇を止めるための後付け要素……詰まる所、意志と行動力があれば十分。とはいえ、私達がどれだけ努力しようとも悲劇をゼロには出来ない。ヒトであるからこそ、悲劇の根絶なんてあり得ないんだ」
「そうかもしれない。でも……やっぱり何とかしたいよ……! 哀しい出来事なんて起きてほしくないし、せめて家族や大事な人はどうにかして救いたいんだよ……!」
「そりゃあ家族の優先順位が赤の他人と比べて高いのは当然だ。誰だってそれは同じだから、フェイトが家族を救いたい気持ちは想像できる。だけど右手では右の甲が掴めないように、世の中どうしても覆せない事はある。気の毒だが、リニスを救う事は絶対に出来ない」
「そ、そう決めつけなくても……! だって……だって
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