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筋の光が!!」
「って意外と余裕あるな君!?」

 まぁ割と天真爛漫っぽいことは知ってたけど、と内心でぼやきながらも瓦礫をどけると、葉隠ちゃんの全身が――あ、駄目だ割と本気モードだったせいか手袋と靴以外装備してないから全然体勢がわかんねぇ。

「さ、逃げるぞ!立てるか?」
「オッケー!と言いたいところなんだけど……瓦礫で足くじいちゃってちょっと歩くのは無理かな!さらに迷惑かけて悪いけど抱えて行ってくれない?」
「分かった、ちょっと動かないで……」

 これ、ガチで見えん。どこが女の子的に触っちゃまずい部分なんだ?ラノベ主人公なら確実におっぱいあたり鷲掴みにしてるぞ。だが俺にはエロゲ主人公的な展開は現実にはまず起こり得ないわけで、そうつまり気を付けていれば何の問題もない!
 というわけでたぶんこの辺なら触って大丈夫だろうと思われるあたりを触って抱き抱える。

 瞬間――本日もうそろそろ打ち止めにしたい「未来視」が発動した。



『やーん太もも触ってるー!』
『ええっ!?ご、ごめん!避難するまでちょっと我慢し――』
『ウルトラ必殺シリーズ奥義!!グラント・ホォォォーーーーーンッ!!!』

 耳を劈く凄まじい轟音と共に、巨大ロボットの前足が砕け散り、バラバラと火花や金属片を撒き散らす。バランスを失った巨大ロボットは不気味なほどゆっくりと体を傾け――水落石と葉隠の真上にすっと影が差した。

『え?』
『え?』
『あっ』

 足をぶち壊した頼野が「やっちゃった」って感じの顔でこっちを見て――直後、俺と葉隠は超巨大な鉄の塊に仲良く押し潰された。

 場面は暗転し――映ったのは数人の大人と、残骸の隙間にある血溜まり。
 生々しくも人を象ったように広がる朱色を前に、大人たちは沈痛な面持ちで、拳を握り締めている。

『まさかあの大型ロボットを転倒させ、それが二人者受験生を瀕死の重傷に追いやるとは………』
『身動きが取れなかった受験生を庇って二人もろとも被害を受けたようだ』
『まったく、全身複雑骨折で済んで運が良かったが、もう二人にヒーロー活動は無理だな。後遺症が残る』
『葉隠透に水落石拓矢――そして責任を感じて入学を辞退した頼野猛角。これはヒーロー界の損失だよ』



 そのビジョンを見た俺は、思った。

「またこのパターンだよ(笑)」
「やーん太もも触ってるー!……って、え?何が?」
「ウルトラ必殺シリーズ奥義!!グラント・ホォォォーーーーーンッ!!!」

 頼野が吠え、その角がロボットの足を豪快な音を立てて吹き飛ばした。

 耳を劈く凄まじい轟音と共に、巨大ロボットの前足が砕け散り、バラバラと火花や金属片を撒き散らす。バランスを失った巨大ロボットは不気味なほどゆっくりと体を傾け―
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