暁 〜小説投稿サイト〜
陸軍兵士が誤って海軍鎮守府に移籍させられてしまったようです
海上戦終幕
[1/13]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
「(さて、大分近くまで来たが李悠の方は大丈夫だろうか?)」
足の装備-水上走行機すいじょうそうこうきが置いてある孤島に向かう為少し視界の開けた道を足早に小走りで走る。頭に浮かぶのは李悠のことだ。俺が戦闘から抜けて既に数十分、そろそろ長門たちが俺の捜索を諦め李悠の元に向かう頃合いだが…
「あ、暗闇さん」
「?…未浪」
孤島まであと少しというところでこちらに向かってきたのは先程孤島に向かってもらった未浪だ。しかも取りに戻っていた水上走行機を手に持っている。
「持ってきてくれたのか、助かった」
「気にしないでください。それより今の戦況はどうなんでしょうか?」
「一言で言えば五分だ。軽巡洋艦二隻を再起不能に出来たのはいいがまだ数も戦力も負けてる。しかも一撃で再起不能にされる威力の砲撃を撃つ戦艦に加え狙いにくい後方で索敵、爆撃で隠密行動をしにくくしている空母がいるが…勝てないことは無い」
未浪が持ってきてくれた水上走行機を装着しながら俺から見た今の戦況を伝える。圧倒的にこちらが不利な状況に見えるがそれは間違いだ。考えて見ればわかるが俺達は擦り傷程度の傷が数箇所あるだけに対し長門たちは小破と中破に近いダメージを均等に与えられている上に李悠のお陰で戦艦は俺達の速度に追いつけないことがわかっている。島風は速度が早いと言っても所詮は駆逐艦、正面からなら驚異にならないが
「…やはり問題は空母ですよね」
「あぁ…どうしたもんか」
苦笑いを浮かべる未浪に俺も苦笑いが溢れる。問題は空母をどうするかだ。ただでさえ素早い艦載機は制空権が奪われていることにより数が増加、身を隠すにしても上空から索敵をされてしまっているとなると場所も限定されてしまう。では、正面からならと思うかもしれないが、艦載機からの爆撃は戦艦の砲撃より正確で速い。躱す事も不可能ではないが他の艦娘への注意が疎かになり砲撃が直撃なんて可能性が飛躍的に向上してしまう。身を隠してもダメ、正面からもダメとなると苦笑いの一つも溢れるだろ?
『…暗闇に伝達。空母二隻に小破、島風に中破の損傷。代わりに爆撃と魚雷で右腕と左足を負傷。どっちも直撃じゃないからまだ無事だけど真正面からは戦えなそうだよ』
「暗闇から李悠へ。今の戦況と負傷した箇所の状態を詳しく伝え、端末で現在地を表示しろ」
『…戦況は少し向こうが優勢かな。制空権が奪われてるせいでまだ数は多いけどさっきの半分位には削れた筈だよ。島風ちゃんも中破にできたからもう僕らの速度には追いつけないと思う。負傷部の右腕は爆撃が掠った火傷だけだから平気なんだけど左足は魚雷が爆散した破片が肉と一緒に太い神経まで突き刺さしちゃったみたいで移動する事さえ困難な状態だから一旦身を隠してるよ』
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ