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陸軍兵士が誤って海軍鎮守府に移籍させられてしまったようです
海上戦終幕
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入ってきたのは先程から姿の見えなかった未浪。労いの言葉を掛け、どこにいたのかを聞いてみる

「今回一番軽傷で動けるのは私でしたので先に指令室まで書類の方を頂きに行っていました。あ、これが書類です」

「おぉ、助かったぞ未浪。やっぱ動ける隊員がいると色々と手間がなくていいな」

礼を告げながらこちらに差し出された書類を受け取る。
パラパラと流し読みで簡単に内容を確認して書いていた書類に被らないように机に広げてみると計四枚の書類が視界を埋めるがその中の一枚に目が止まる

「なぁ、未浪。お前兄貴に何か言ったか?」

「いえ何も。書類も今回必要な分だと渡されたまま持ってきましたけど何かおかしな書類でも?」

「んや、何もしてないならいい。それと急だが今日から一時的に貸出兵の仕事は休みだ」

目に入った書類内容に納得できず読み進めるが大本営名義の割印が目に入り読むのを辞めた。大本営の割印があるという事はこの書類内容は命令、要は嫌でも休みを取れということだ。
しかも全員の傷が完治するまでと来た。誤魔化して依頼を受けるのは難しいいことではないが負傷中の依頼に慣れっこな俺や李悠、軽傷の未浪ならまだしも優は傷の具合からしても誤魔化すのは難しい。
優だけ待機させてもいいがそれでは貸出兵に引き入れた意味がない。それにまだ貸出兵に移籍して日の浅い未浪は出来るだけ一人で行動させたくない。後方支援の未浪に合わせ俺か李悠のどちらか一人が後方支援に回るという方法もあるがそれだと前衛が攻め込み辛くなる上突破された際、未浪の補助に回る羽目になるのは目に見えてる。なら逆に前衛に連れていけばという考えはもはや論外。後方より激しい戦闘になる上カバーに入りづらい前衛に態々連れていくなど死にに行かせる様なもの。色々と考慮しながら思考を巡らせてみたがいい案は思いつかない。大人しく優が完治するまで休暇するしかないみたいだ

「へぇ?休暇ですか」

「あぁ、大本営からの命令だけどな。悪い、ちょっと出てくるから李悠のこと頼むな。あ、休暇は自由に使ってくれ」

「はい、了解しました」

先程渡された書類も書き終わったので寝ている李悠を未浪に任せて部屋を出る。さっさと兄貴に提出して俺も寝よ...


「(クソねみぃ...)」

書類を提出し終え、欠伸を噛み殺しながら部屋に戻る廊下を進む。疲労に加え血の流し過ぎで貧血気味の体は歩くのだけでもダルイ。早く部屋に戻って休みたいもんだ

「あれ?あれれ!?可笑しいな確かこの辺りの筈なんだけど」

「(見たことない奴だな)」

ダルイ身体を引きずるように歩いていると後ろで纏めている長い茶髪がキョロキョロと頭を動かす度に可愛らしくユラユラと揺らす女の子が視界に入る。何か探しているよ
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