暁 〜小説投稿サイト〜
陸軍兵士が誤って海軍鎮守府に移籍させられてしまったようです
海上戦終幕
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と足元に立つ波がこちらに向かって立っていることに気付く。これは逆方向から波が立っている証拠

『暗闇そこから四百m先に熱源反応が六つ、真っ直ぐ向かって来てるよ』

李悠からの無線を受け、目を細め少し遠くに視線を向けると微かだがゆらゆらと動くものが複数見える。

「…あれだな…李悠そこから射撃できるか?」

『飛距離的には問題ないけどサーマルスコープ越しだと倍率がちょっと足りないから確実に当てられるかはわからないよ〜』

孤島から艦娘達までの距離は約二千m、李悠にとってはまだ余裕の距離だがスコープの倍率が足りないようだ。確か今回李悠が付けてきたのは中距離用の四倍率とサーマルの切り替え式スコープ。サーマルは熱源を見つけられれば見えないことはないがこの距離では確実に当てられる程はっきりとは見えていない。4倍率でも千二百m先を見るのが関の山だ

「なら、こっちに誘き寄せるか」

『そうしてくれると助かるよ〜 後五百m、我儘を言えば後八百m近づけてくれれば確実に当てるよ〜』

「という訳だ優は李悠の方に誘い込む形で動いてくれ。くれぐれも近づけ過ぎだけは注意しろよ」

次の動きを決め終わった所で足を止める。誘い込むのに態々こちらから近づいていく必要はない。ヘタに突っ込んで相手の術中にハマったなんて笑い話にもならないからな。



「(…来たな)」

数分後遠くの方に人影らしきものが見え始める。速度は約二十五ノット程、黒煙が目視できる所を見ると負傷しながらも李悠が相当なダメージを与えてくれていたみたいだ

「(ここはロングバレルの見せ所だな)」

腰から改造したばかりのスコーピオンを引き抜き標準を合わせて引き金を引く。艦娘達との距離は約二百m、ロングバレル付きのスコーピオンなら集弾性は低いがギリギリ届く。今は注意を引く事が目的だし擦りさえすれば十分だ

「…っ」

空になったマガジンを引き抜くと同時に視界に映ったものを確認すると同時に後ろに小さくジャンプする。瞬間先程立っていた場所に爆破音と共に水柱が立ち海水が頭に降り注ぐ。口に入った海水を吐き捨て飛んできたものと方角を確認する。

「(真正面から…水柱の大きさから考えて戦艦の砲撃だな)」

海水で垂れ下がった前髪を掻き上げてからぐるりと辺りを見渡す。艦攻機からの爆雷の可能性も考えたが目視できる範囲には確認できない。恐らく離脱した李悠達の索敵に向かわせている可能性が高い。索敵機の方は優に任せてあるが李悠達の居場所が特定されるのは時間の問題だろう。

「(ここは早めに作戦に移るのが得策だな)」

ぐるりと一回転し孤島の方に艦娘達がギリギリ追いつけないくらいの速度で歩を進めていく。その間も振り返りつつ射撃を行う。揺れで
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