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陸軍兵士が誤って海軍鎮守府に移籍させられてしまったようです
海上戦の幕開け
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気。それに龍田はただ大破する為に残ったのではないのだろう。考えつく限りでは俺を李悠の元に向かわせるのを少しでも遅らせる為。それが分かった上で相手の思惑に乗ってやることは無い

「…申し訳ありませんが貴女の思惑に態々付き合うつもりはありませんので…これで倒れてください」

右腰にぶら下げてあるC4を一つ手に取り龍田に向かって放り投げる。俺と龍田の距離は約五メートル程、この距離で疲労している龍田が避けることは不可能。もし使用できる単装砲と連装高角砲のどちらかで撃ち落としたとしてもその隙をついてグレネードを追加して投げれば問題ない。結果から言えば龍田の思惑である時間稼ぎはできないと言うことだ

「っ!?」

「無駄ですゲームオーバーですよ」

投げられたものが先程の爆弾に気づいたのか必死に回避しようとする龍田だがもう遅い。その間にも投げたC4は龍田を巻き込める範囲まで近づいていた。最後に少しだけ笑みを浮かべ、C4を起爆させると爆音と共に黒煙が広がり龍田の姿は見えなくなった

「(やっと終わったな。弾も手榴弾グレネードも結構消費してしまった)」

黒煙が立ち上るすぐ横を通り抜け李悠の元に向かいながら消費した個数と現在の個数を計算する。HGの弾はマガジン二つを消費して残り二つ、まだ一度も使っていないSMGは装填してあるマガジンと予備マガジン合わせて三つフルで残っている。しかし手榴弾グレネードは計六つ。持ち込んだ個数の約二分の一。大分消費してしまったが取り敢えずこちらが終わったことを知らせるとしよう

「伝達。こちらの軽巡洋艦は始末し終わった。これから戦艦の始末に向かう。優と未浪は次に備え射撃のしやすいポイントに早急に移動。李悠はそのまま待機し俺からの指示を待ってくれ」

伝えることだけ伝えすぐさま李悠の元に向かう。李悠も長年このような環境で戦ってきてはいるがそれは遮蔽物の多い地上での戦闘、もちろん海面や海中で戦うこともなかったわけではないが大きく動きが制限される。その中で六人もの敵を一人で相手するのは酷なものだ。しかも海はその六人全員の適正環境下である。いくら戦闘に長けていたとしてもこれだけの悪条件がそろってしまっては一人で抑えるにもすぐ限界が来る。その為できるだけ早く合流し援護する必要があるのだ。

『李悠から暗闇へ。敵艦からの爆撃で隠れていた孤島が半壊、やむなく戦闘に移行中。このペースだと限界は近いよ』

「(一人ずつ潰しに来たか)了解。そのまま戦闘を続行し時間稼ぎを頼む。優、未浪聞こえた通り李悠は長く持たない。早急にポイントまで移動しろ。俺も全速力で李悠の元に向かう」

返答を聞きそれぞれに指示を出す。まだ視界には李悠や艦娘たちの姿は見えない。戦力を分断する為天龍たちを引き離し過ぎたのがこんなところ
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