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陸軍兵士が誤って海軍鎮守府に移籍させられてしまったようです
海上戦の幕開け
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の元へと駆けていった。お、そろそろ順番か

「おはようございます」

「…おはようございます」

受け渡し口に立つと太陽のような笑顔を浮かべた女性が挨拶をしてきたのでこちらも挨拶を返す。見た目はまだ二十代より若く見えるがドンと構えた姿勢は子を持つ母のように見えるな

「貴方初めて見る顔ね。新人さん…ではないね」

「いえいえ、まだこちらに来て数日ですから新人の中の新人ですよ」

「私こう見えて人を見る目は確かなの。新米さんと熟練者さんの気迫の違いくらい分かっちゃうのよ」

ニコッと女性は再び笑みを浮かべるが俺は苦笑いしか出ない。鋭い…この言葉がぴったりだ。俺も李悠も何年も汚れ仕事に身を投じてきた事もあり気迫があると言われたことは何度かあるがそれは実際に見た者や戦績を見た奴らだけ、しかしこの女性は気配だけで俺を熟練者と見破った

「残念ながら本当に新米ですよ。それに熟練者なら気迫を隠すことくらい簡単に出来るはずですしね」

「あら、そうなの?なら…この耳につけてるものは何かしら?」

クスッと笑いながら俺の耳に触れ返答する女性にまた苦笑いが漏れる。俺が貸出兵だということに完全に気づいてる。まさか俺が誘導尋問にハメられるとは

「自称するだけはありますね。申し訳ありませんがこれについてはまだ内密にお願いしますね」

「大丈夫誰にも言わないわ。それでここに来たってことは朝ご飯かしら?」

素直に認めたことに満足したのか口元に人差し指を当てて答える彼女は母親というよりも悪戯が成功した子供のようだ。

「はい、二人分お願いします」

「はーい二人分はいりまーす」

彼女の言葉でここに来た理由を思い出し二人分の朝食を注文するとニッコリと笑みを浮かべながら厨房の奥に入っていた。はぁ…少し嘗めすぎてたかな



−−−−−−−−−−−−−−−−−



「ってことがあったんだがどう思う?」

「ん〜暗闇が見破られちゃうなら僕達なんて一瞬だよね〜?」

「それは確かにそうだよな」

「あはは…誤魔化せそうに無いですね」

食堂でのことを李悠達に話すと口々に答えを返す。俺も表情を隠すのは完璧とまでは言えないがそこそこ自信があったんだがな…。未浪は案外上手いと思うが李悠と優はお世辞にも上手いとはいえないな

「それより先に頼んでおいたことはやってくれたか?」

「うん、ちゃんと確認しておいたよ〜」

「いきなり作戦変更って聞かされた時は焦ったぜ。ただ今回の作戦は結構やばくないか?俺と未浪は確かにお前達みたいに人間離れした戦場は経験してないが無茶し過ぎだと思うぞ?」

「…それは僕も思いますね。艦隊が相手だと考えるとこの作戦もありだとは
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