勝者は?
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「リンちゃんもしかして運ぶの慣れてないの?」
「!!」
リンは図星を突かれたのか、顔が強張る。その彼女の表情を見て、男性客はニヤニヤとしていた。
「べ・・・別に緊張してたわけじゃないんだからね!!」
リンが料理を運ぶのにフラフラしていたのは、実は慣れていないからではなかったらしい。そりゃそうだ、だってあいつは交換留学の時にウェイトレスを経験してるんだから、運ぶのはある程度できるはずなのだから。
ただ、じゃあなぜそんな印章を与えたのかというと、それは色々な理由があった。
慣れない女物の水着にヒール、おまけに一位にならないと一週間人魚の踵で女装生活という罰ゲームまであるのだ。当然、料理を運ぶ際に転んだりしたら、それを見ていた人からは絶対に指名されない。そうなるとカグラさんたちにみすみすチャンスを与えてしまうと思ってたから、いつもより慎重になっていたらしい。
だが、相手から慣れてないと言われた彼は悔しかったのか、負け惜しみにも似た発言をすると、その場から逃げるようにこちらへと走ってきた。
「シリ・・・ルリ、あたしもちょっと席はずすね」
「えぇ!?」
こちらに戻ってきたリンを見て、なぜか鼻を押さえながら残っていたシェリアがこの場から立ち去っていく。なんかウェイトレスがどんどん減ってくんだけど・・・稼ぐなら今ってことなのかな?
「ルリ・・・なんか疲れてきた」
「我慢しなよ。お・・・私たちはやるしかないんだから」
駆けてきたからか、額に汗が浮かんでいるリン。彼はそれに気付いていないようなので、あらかじめウェンディに渡されていたハンカチでそれを拭ってあげる。
「ルリ、指名が来たよ。それにリンもね」
「「え?」」
ちょっと一休みと思っていたところで、ソフィアと共に留学に来ていたので顔だけはわかる女の子にそんなことを言われる。気が付くと、お客さんたちが俺たちの方を見ながら何かを話していたのだが、それがどういうことなのか、その時は全然わからなかった。
ウェンディside
「ただいま戻りました」
「おかえりなさい、ウェンディ」
シリルの笑顔で興奮してしまい、鼻血が収まるまで奥で隠れていたのですが、たった今血が収まったのでレストランの方に戻ってくると、そこには驚くべき光景が広がっていました。
「オムライスとナポリタンをリンちゃんで」
「カルボナーラとペペロンチーノ!!ルリちゃんで!!」
人で埋め尽くされているホール。その中でウェイトレスをしている皆さんが世話しなく動き回っていますが、中でも二人の人物が休む暇もなく料理を運んでいました。
「リンちゃん!!これ五番テーブルね〜」
「
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