暁 〜小説投稿サイト〜
FAIRY TAIL〜水の滅竜魔導士〜
勝者は?
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・・ごつ・・・ごきゅ・・・何にしますか?」

改めて注文を聞こうと先程のリンのような台詞を言おうとしたところ、滅多にやらない接客の仕事で緊張してしまい、噛み噛みになってしまったので、諦めて必要最低限に絞って口を開くことにした。だけど、その前の噛んでいたのが面白かったらしく、彼女たちは顔を反らし、口元を押さえていた。

「あ・・・あの・・・」
「あ!!ごめんごめん」
「可愛いからつい」
「気にしないで!!」

いやいや気になるよ・・・なんて思いながらも口に出すわけにはいかず、何事もなかったかのように笑顔を取り繕いながら、注文を聞いていく。

「以上でよろしいですか?」
「うん、OK」

注文の確認を終え、カウンターの方へと向かおうとして、大事なことを思い出し、もう一度体の向きを変える。

「えっと・・・運んでくるのはルリちゃんでいいですか?」

さっきシェリアから教えられたポーズ・・・両手の人差し指を立て頬に付け、首を傾げるようにして笑顔を作る。それを見た瞬間、見ていた全てのお客さんが固まったのが空気でわかった。

「・・・」

やってはいけないミスをしたような気がして冷や汗が背筋を伝う。これは失敗した・・・穴があったら入りたい・・・

「き・・・聞き取れなかったからもう一回やって!!」
「へ?」

これからどうしようか迷っていると、目の前の女性がそんなことを言ってくる。

「ね!!いいでしょ?」
「お願い!!」
「もう一回だけでいいから!!」

手を合わせ拝むように懇願してくる彼女たちを見て、やれば指名してくれるのではと期待が押し寄せてくる。

「る・・・ルリちゃんでいいですか?」
「はい!!」
「ぜひ!!」
「ルリちゃんで!!」

泣きそうになりながら、顔をリンゴのようにしてポーズを決めると、女性たちが即答で俺を指名してくれる。

「ありがとうございます!!」

頭を深く下げてその場から駆け足で離れていく。よかったぁ・・・ここまでやって指名してくれなかったら、いじけて勝負を投げてたかも。

「ルリちゃんでいいですか?」
「ちょっとやめてよ!!」

注文を厨房に渡すために戻ってくると、待ってたリンがからかうようにさっきのポーズをしてくる。それを見て恥ずかしくなってきたので、彼の手を掴み大急ぎで下げさせる。

「リン、これ持ってって」
「了解」

俺のことをからかっていたリンに後ろからシャルルができた料理をカウンターに置きながら声をかける。リンはそれをお盆に乗せると、見るからに緊張しながら指名されたテーブルへと運んでいく。

「はい、どうぞ」

相変わらずの愛想の無さで料理を注文した人の前に置いていくリン。そんなリンに、お客さんが声をかける。

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